女王ヤニ・ツェン（台）がポールポジションをゲットしたことで、周囲には早くも諦めムードが漂い始めた。

　米女子ツアーの今季メジャー第1戦、クラフト・ナビスコ選手権は現地時間30日、カリフォルニア州のミッション・ヒルズCCを舞台に第2ラウンドの競技を行い、首位に2打差の単独3位からスタートしたツェンが2日連続となる4アンダー68をマークし、通算8アンダーで単独トップに躍り出た。

「昨日よりずっと内容が良かったです。チャンスはすべて決めることが出来たし、今日のゴルフには凄く満足しています」と不動のロレックスランキング（女子世界ランキング）No.1のツェンは納得の表情。スコア的には初日と同じだが「今日の方が集中していたしスコアではなくプロセスが良かった」と達成感を滲ませた。

　ラウンド後はマネージャーをはじめ仲間たちと大好きなバスケットボールで汗を流してリフレッシュ。リーダーボードの最上段が完全に定位置になった感があるが「そんなことはあまり気にしていないし、考えてもいません。明日は風が強くなるらしいので忍耐力が試されるはず。気を抜かずに集中しなければ…」と気を引き締めるツェンだった。

　そんな女王の快進撃に同期でロレックスランキング2位のライバル、ナ・エン・チョイ（韓）は言う。「私は泳げないので（優勝すると18番脇の池に飛び込む恒例の）勝者のダイブが恐いけれど、その恐怖心を克服するよりも今のヤニ（ツェン）に勝つことの方が難しいんじゃないかしら」と苦笑い。この日は5アンダー67の好スコアでツェンに3打差の5位タイに急浮上したが、ツェンを撃破するためには残り2日、相当な覚悟と忍耐力が必要になる。

　その他上位陣は通算7アンダー単独2位にカン・ハエジ（韓）がつけ、通算6アンダー3位タイにリンジー・ライト（豪）とヨー・スヨン（韓）。チョイと同じ5位タイに朴セリ（韓）とカリン・ヨディン（スウェーデン）がつけたが、初日トップのエイミー・ヤン（韓）は2つスコアを落とし通算4アンダー8位タイに後退した。

　日本勢は病み上がりの上田桃子が大健闘。3アンダー69をマークし初日の18位タイから8位タイ（通算4アンダー）に浮上。しかし同じく18位タイからスタートした宮里藍はイーブンパー72とスコアを伸ばせず、通算1アンダー22位タイに一歩後退した。

　スポット参戦の馬場ゆかりはカットラインぎりぎりの通算4オーバー69位タイで予選をクリアしたが、昨季大会で7位タイに入っている宮里美香は通算7オーバー96位タイで決勝ラウンド進出を逃している。