米女子ツアーの最年少優勝記録を持つ16歳の“レクシー”ことアレクシス・トンプソン（米）が、欧州女子ツアーのプロ最年少V記録を塗り替える快挙を達成した。なお同ツアーの最年少V記録保持者は、2006年のANZレディースマスターズに勝利したエイミー・ヤン（韓）で、当時アマチュアだったヤンはトンプソンより約5か月早い16歳191日での偉業達成だった。

　欧州女子ツアーシーズン最終戦のオメガ・ドバイ・レディス・マスターズは現地時間17日、UAEのエミレイツGCを舞台に最終ラウンドの競技を終了。元女王アニカ・ソレンスタム（スウェーデン）ら幾多の実力者たちがトロフィにその名を刻むビッグイベントで、後続に1打差の単独トップからスタートしたトンプソンは、前半に昨年の同ツアー賞金女王リー・アン・ペース（南ア）の猛烈な追い上げに合う。しかしひるむことなく果敢に攻め続け、バック9で4バーディを奪う猛攻で通算15アンダーまでスコアを伸ばすと、2位に入ったペースに4ストロークの大差をつけてプロ2勝目を飾った。

「この大会に招待されただけでも嬉しいのに、こんな結果が待っているとは…。これまでのハードワークが報われました」と満面の笑みで喜びを表現したトンプソンは、9月に開催された米女子ツアーのナビスターLPGAクラシックで16歳ながら優勝し、特例が認められ同ツアーの正式メンバーになったばかり。これには元祖天才少女と呼ばれたミッシェル・ウィー（米）も「素晴らしいですね。彼女の余計なことを考えず思い切り良く振るところが良いと思います。それに試合中も楽しそうだし、そんな彼女の姿を見ているとこっちも楽しくなります。才能のかたまりね」と大絶賛。ちなみにウィーは前半2ボギー、1ダブルボギーを叩いて後退し、通算5アンダー12位タイに終わっている。

　またキャディを務めた父・スコットさんは「1勝目はフロックかもしれないけれど、2勝目は実力だ。ツキだけでは2度は勝てないよ」と娘の快進撃に目を細めた。今後トンプソンが人気低迷で試合数が激減する米女子ツアーの起爆剤となれるか注目だ。

　トンプソン以下は通算11アンダー単独2位にペース、通算10アンダー単独3位にソフィ・グスタフソン（スウェーデン）、通算9アンダー4位タイにベッキー・モーガン（ウェールズ）ら3人が入った。（STATS-AP）