現地時間22日、米女子ツアー（LPGA）13人の創始者の一人であるベティ・ダノフ（米）がテキサス州で亡くなったことが分かった。88歳だった。

　ダノフは1947年、当時アマチュアながらテキサス女子オープン決勝でベーブ・ザハリアス（米・故人）を1アップで撃破。それまでトーナメント17連勝していたザハリアスの記録を止めたことで知られている。さらに、米男子ツアー（PGA）のトッププレーヤーだったバイロン・ネルソン（米・故人）とプレーした経験も持つ。輝かしいアマチュア時代の経験を礎に12人の仲間たちと1950年にLPGAを立ち上げたものの、残念ながら同ツアーでは未勝利に終わった。

　だが、ダノフは別の意味でも女子プロゴルファーのパイオニアであった。医師のクライド・ウォルター・ダノフ氏と結婚し、3人の娘の母となったダノフは娘を連れてツアーを転戦することも多く、その娘たちもまた家族を持ったことで、孫を持つおばあちゃんとして最初にツアーでプレーした選手でもあるからだ。

　ツアーにチャイルドケアが常駐し、ママさんプロがプレーしやすい環境が整って久しい同ツアーだが、ダノフが子供たちを連れて転戦していた頃にはもちろんそんな状況ではなかった。三女のデビーが「母は自分が試合をしている間、私たちの面倒を見てくれる人を探すのに苦労していた」と証言するように、仕事と子育てを両立。その積み重ねが、今日の女子ツアーの隆盛につながっている。

　米女子ツアーは、2000年にダノフや他の創始者たちにコミッショナーズ・アウォードを授与し、さらにはLPGAファウンダース・カップという大会を設けて先輩たちを讃えているが、また一人ツアーの生き証人がこの世を去った。（STATS-AP）