宮里藍が滑り込みでベスト16入りを決めた。

　米女子ツアーの今季最終戦、ADT選手権（フロリダ州ウェストパームビーチ、トランプ・インターナショナルGC）は現地時間の16日、第2ラウンドの競技を終了。条件を満たした32名のトッププレーヤーが出場し、第3ラウンドに進めるのは半数の16名のみ。この日18位タイからスタートした宮里は、前半でスコアを2つ伸ばしたが、中盤の10番で痛恨のダブルボギー。その後はパーで凌いでイーブンパー72とし、通算3オーバー15位タイでホールアウト。同じく通算3オーバーでフィニッシュしたアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）、ナタリー・ガルビス（米）の2人とベスト16を賭け、プレーオフを戦うことになった。

　3人のうち第3ラウンドに進めるのは2人だけ。息詰る緊張感の中、宮里は17番でまず3メートル弱のパーパットを沈め、同じくパーで上がった2人とプレーオフ2ホール目に突入。するとここでアニカが痛恨のミスを犯す。セカンドショットを左に引っかけ、距離のあるバンカーに打ち込み、そこからのサードショットをピンに絡めることができず万事休す。先に宮里がパーで上がると、ガルビスの30センチのパーパットにアニカが頷きオーケーを出し、元女王の脱落が決まった。

「プレーオフの最初のパットはすごく緊張して手が震えました。でも集中していいストロークで打てた」と上位16名に滑り込みで入り、興奮を隠しきれなかった宮里。「去年は2日目まで私がトップを走っていたけれど、今年は全く状況が違って難しかった。アニカとナタリーという私にとっては憧れの2人とプレーオフを戦うことができて、すごくいい経験ができました」（宮里）。

　3日目はスコアは振り出し。2日目までの順位は関係のない1発勝負で、上位8名が最終ラウンドに進むことができる。最下位で3日目に進んだ宮里にとっては願ってもないチャンスというわけだ。シーズン終盤、人生初のスランプに苦しんだが、ようやく笑顔が戻った宮里。ここまで来たらベスト8、いや100万ドル（約1億1,000万円）がかかる優勝を目指してもらいたい。

　一方、トップで第3ラウンド進出を決めたのは通算7アンダーの金美賢（韓）。1打差の2位タイにこの日のベストスコア、7アンダー65をマークしたモーガン・プレセル（米）とクリスティーナ・キム（米）が続き、ロレーナ・オチョア（メキシコ）は通算4アンダー4位タイ。スーザン・ピーターセン（ノルウェー）はポーラ・クリーマー（米）と並び通算3アンダー6位タイで予選をクリア。ビッグネームではアニカの他に朴セリ（韓）がサバイバルレースに敗れ、姿を消している。

　ちなみにアニカが未勝利のシーズンを過ごしたのは94年のルーキーイヤー以来。今季は椎間板ヘルニアを患うなど、出場わずか13試合で世界ランク1位からも陥落している。