マッチプレーの鬼、アーニー・エルス（南ア）が過去6勝と最強を誇る大会で、復活優勝を狙っている。

　今季は序盤戦の南アフリカ航空オープンで1勝したのみのエルスだが、現地時間11日開幕の欧州ツアー、HSBC世界マッチプレー選手権（英、ウェントワースC）で、3連覇が2回（94?96年、02?04年）と、他を圧倒する強さを見せている。

　エルスの1回戦の相手は、99年の大会王者で過去8度欧州賞金王に輝いている実力者、コリン・モンゴメリー（スコットランド）。モンゴメリーとの間には因縁がある。

　オークモントCCで行われた94年全米オープンで、エルスはモンゴメリーと、現在米チャンピオンズツアーで活躍するローレン・ロバーツ（米）の3人で行われたプレーオフを制し、メジャー初V。さらにコングレッショナルCCが舞台の97年全米オープンでも、優勝争いを繰り広げた挙句、やはりエルスが勝った。

　モンゴメリーはムキになってかかってくるだろうが、そこにスキが生じる。エルスはしっかりとスキにつけこんで1回戦を突破。出場16人の頂点に立って今季2勝目を飾り、来季のメジャーにつなげたい。

　一方、ディフェンディング・チャンピオンのポール・ケイシー（英）は、英国人初の大会連覇という偉業に挑む。これまで大会に2勝した英国人はニック・ファルド（89、92年）ただひとりだけ。英国ファンの期待を一身に背負うケイシーの1回戦の相手は、ジェリー・ケリー（米）。ウェントワースCで、新たな伝説に向かっての戦いが始まる。