ゴルフ界の次世代を担う“2人のR”の片割れで、石川遼のライバルでもある21歳のローリー・マッキルロイ（北アイルランド）にメジャー初制覇のチャンスが訪れた。

　前日まで濃霧のため進行が遅れていた今季メジャー最終戦、全米プロゴルフ選手権（ウィスコンシン州、ウィストリング・ストレイツ）だが、現地時間14日には晴天が戻り決勝ラウンドに進んだ72名が第3ラウンドの競技を終了した。

　予選ラウンドを5位タイで通過したマッキルロイは、好調なパットを武器に6バーディ、1ボギーの5アンダー67の好スコアをマーク。2桁アンダーとなる通算10アンダーまでスコアを伸ばし、首位のニック・ワトニー（米）に3打差ながら2位タイの好位置まで順位を上げた。同じく2位タイに第3ラウンドで6アンダー66と爆発したダスティン・ジョンソン（米）がつけ、通算9アンダー4位タイに中国ゴルフ界の第一人者リャン・ウェンチョン、マーティン・カイマー（独）、ジェイソン・デイ（豪）が続いている。

「17番パー3でバーディチャンスを逃してしまったけど、それ以外はすべてのバーディパットとパーセービングパットを沈めることができた」と語るマッキルロイ。日本の18歳、石川遼（Ryo）とは頭文字（RoryのR）が同じなため、“2人のR”あるいは“ダブルR”と呼ばれることが多い。それだけ世界のゴルフシーンで注目を集めているということだ。

　メジャーの舞台で苦戦するビッグネームを尻目に主役に躍り出て、優勝争いともなれば大きなプレッシャーがかかるが、「メンタルさえしっかりしていればチャンスはある」と落ち着き払った言動はまるでベテランのよう。「コースの形状的にギャラリーとの距離が少し開いているので、変なプレッシャーを感じずに済んでいる。最終日は今日までの3日間と全く同じように、我慢して自分のゲームプランを貫きたい」と抱負を述べた。

　なお、日本勢は石川を含め5人全員が予選落ち。予選ラウンドを首位で通過したマット・クーチャー（米）はスコアを1つ落とし、通算7アンダー11位タイに後退。注目のタイガー・ウッズ（米）は通算3アンダー31位にとどまり、第3ラウンドで1オーバー73を叩いたフィル・ミケルソン（米）は通算1アンダー48位タイに順位を落としている。