国内女子ツアー今季3勝の上田桃子が、欧米両ツアー共催のエビアン・マスターズ最終ラウンド（現地時間29日、仏、エビアン・マスターズGC）、世界の強豪相手に堂々の優勝争いを演じて見せた。

　第3ラウンドを終えて首位のジュリー・インクスター（米）に5打差9位タイでスタートした上田は、8番、14番とバーディを重ねる。強風でインクスターが崩れたこともあり、混戦となった中、首位に1打差まで浮上した。続く15番をボギーとしたものの、その闘志は衰えることなく、16番の第2打を約50センチにピタリとつけるスーパーショットで再びバーディ。通算3アンダーと望みをつないだ。

　17番で痛恨の3パットボギーを叩いて優勝は遠のいたが、それでも通算2アンダーは2打差の6位タイ。しかし海外での米ツアー2戦目の大健闘にも悔しさをあらわにした上田は、今後へのエネルギーをのぞかせた。「悔しい。世界は甘くないですね」。次週は初めて挑むメジャー、全英リコー女子オープン。ゴルフの聖地・セントアンドリュースを舞台に、大暴れの予感が漂っている。

　優勝争いは、インクスターの不調で混沌とした挙句、ナタリー・ガルビス（米）とジョン・ジャン（韓）が通算4アンダーに並んでプレーオフ。1ホール目の18番パー5で、2オンしたガルビスがバーディを奪い、パーに終わったジョンを突き放してツアー初優勝を飾った。

　これまで何度も優勝争いを繰り広げながら、ツアー6年目の今まで勝利とは縁遠かっただけに、ガルビスの感慨もひとしおだ。「いつもは2オンしないのに、プレーオフでは最高のショットが続いた。7.5メートルのイーグルパットが入ったかと思ったんだけど」と、笑顔で振り返った。

　その他上位は、ロレーナ・オチョア（メキシコ）が、4アンダー68とチャージをかけて通算3アンダー。インクスター、シン・ジアイ（韓）と並ぶ3位タイに入っている。

　また、3日間オーバーパーだった宮里藍はようやくパープレーの72で回り、通算3オーバー22位タイ。次週は夢のメジャータイトルに挑む。