全英オープンでメジャー最年長優勝を逃した悔しさを糧に、トム・ワトソン（米）がシニアのステージにターゲットを絞り、大会4勝目を狙う。

　59歳10か月で全英オープンに出場したワトソンは、単独首位で最終ラウンドの最終ホールを迎えながら、痛恨のボギー。先にホールアウトしていたスチュワート・シンク（米）と並び、勝負をプレーオフに持ち込まれた。72ホールの戦いで力尽きてプレーオフでは惨敗。史上最高齢でのメジャー勝利をあと一歩のところで逃した。

　大ギャラリーはワトソンに惜しみない拍手を送ったが、本人は充実感より悔しさでいっぱい。その晩はわずか1時間しか眠れなかったという。それでもスコットランドからイングランドに移動し、メジャーである全英シニアオープン選手権の舞台、サニングデールGC（オールドC）入り。現地時間23日の開幕に向けて、20日、21日に18ホールずつ、練習ラウンドをこなしている。

　だが、ワトソンの活躍がライバル達にエネルギーを与えたことも事実だ。予選ラウンドを一緒に回るグレッグ・ノーマン（豪）は08年の全英オープンでV争いを演じており、こちらもやる気満々。さらに、マスターズ優勝経験を持つサンディ・ライル（スコットランド）も、目を輝かせて同組でのプレーを心待ちにしている。

　さらに、米チャンピオンズツアー賞金王で今季も4勝を挙げているベルンハルト・ランガー（独）やイアン・ウーズナム（ウェールズ）、ニック・ファルド（英）が出場。マーク・オメーラ（米）、ジェイ・ハース（米）ら実力者たちもワトソンに刺激を受けているとあって、激戦必至の様相を見せている。

　一方、日本勢は欧州シニアツアーでプレーした経験を持つ友利勝良、米チャンピオンズツアーで戦い続ける尾崎直道を中心に、青木功、水巻善典、白浜育男、池内信治の6人が参戦。金星奪取を目指す。