3打差3位タイから逆転で欧州ツアー2勝目を狙った20歳のローリー・マッキルロイ（北アイルランド）は、その意気込みが空回りした。

　同ツアーのヨーロピアン・オープン最終ラウンド（現地時間5月31日、英、ロンドンGC）は、難しいコンディションに各選手が四苦八苦。そんな中、首位タイスタートのジーブ・ミルカ・シン（インド）、クリスチャン・セバエアー（仏）を追うマッキルロイは、積極的なゴルフを見せた。狙うのはただ1つ、2月のドバイ・デザート・クラシック以来の勝利だ。

　1バーディ、3ボギーでハーフターンすると、バックナインに入ってもアグレッシブにラウンド。だが、4バーディ、7ボギーの3オーバー75で、通算3アンダー12位に順位を落とした。「優勝できるチャンスだったのに。全然思うようなプレーができなかった」と唇をかんだ新鋭のマッキルロイ。3週間後の全米オープンに向けて「それまでにリフレッシュして準備を整えたい」と気持ちを切り替えようとしていた。

　一方、V争いは通算9アンダートップタイで出たシンが、前半だけで2つのボギーを叩き、後半に入ってもズルズルと後退。この状況を横目で見ながら、セバエアーは必死に耐えた。フロントナインで3ボギーとしながら、その後はパーを重ねていく。15番ではバーディを奪って通算7アンダーにスコアを戻した。通算6アンダーで先にホールアウトしたアルバロ・クイロス（スペイン）、スティーブ・ウェブスター（英）、ゲイリー・オール（スコットランド）が見守る中、平均スコア4.7近くの難しい18番パー4をきっちりとパーセーブ。1打差で逃げ切り、04年以来のツアー2勝目を飾った。

　世界ランク449位、欧州ツアー賞金ランク196位で今大会に臨んだ39歳は、まさかの優勝劇に声を弾ませた。「ショートヒッターだったのが良かったんじゃないかな。（難しい）18番もフェアウェイに打てたしね」と勝因を語った。このまま試合に出続けたいところだが、間もなく子供が生まれる。「2番目の子供がいるときにまた勝てればいい」と話した。

　その他、シンは通算5アンダー5位タイ。世界ランク4位のセルヒオ・ガルシア（スペイン）はスコアを4つ伸ばし、通算2アンダー13位タイに順位を上げて大会を終えた。