アマチュア時代から何度も優勝争いを演じながら勝てずにいた元祖天才少女が初の栄冠に輝いた。

　米女子ツアーはロレーナ・オチョアの故郷、メキシコ・グアダラハラのグアダラハラCCを舞台にロレーナ・オチョア招待を開催。現地時間15日に行われた最終ラウンドでウィーは3アンダー69をマークし、通算13アンダーで優勝を飾った。2打差の2位にポーラ・クリーマー（米）が入り、前日トップのクリスティー・カー（米）はスコアを伸ばせず、通算10アンダーでモーガン・プレセル（米）、申智愛（韓）と並ぶ3位タイ。最終日に3アンダー69とスコアを伸ばしたホステスプロのロレーナ・オチョア（メキシコ）が、通算7アンダーで6位タイに入った。

　バンカーショットをピンに絡めタップインバーディを奪った瞬間、ウィーの記念すべき初優勝が決まった。すでにホールアウトしていたクリーマーが通算11アンダーだったため、1打リードで最終18番のティーグランドに上がったウィー。パーで切り抜ければ優勝出来る。だが彼女に「守る」という文字はなかった。セカンドは5番ウッドを持って果敢に2オンを狙ったが、わずかに方向がそれて左のバンカーへ。だが「いいイメージがあった」と言うバンカーショットは「あれこれ考える前に打った」とあっさりピンに寄せ、バーディで締めくくった。

　待ちに待った瞬間。ソルハイムカップでチームメイトだったクリーマーやプレセルが祝福してくれた。トロフィを抱え、両親の間に挟まれて満面の笑みを浮かべたウィー。天才少女と呼ばれ男子のトーナメントで予選突破間近まで行ったのが14歳。ところが成長期にケガやスイング改造の弊害で次第に調子を落とし、一時は再起不能とまで言われたもの。この日も12番でセカンドショットが木に直撃して50ヤードも跳ね返って戻って来るというアクシデントにも見舞われた。だが「どんなに悪いときもデビッド（レッドベター）が支えてくれた。ポジティブなことを言い続けてくれた」と、師事するコーチとの二人三脚で栄冠を勝ち取った。「ようやく重荷を下ろした」と言うウィーは、これからさらに進化した姿を見せてくれるに違いない。

　一方、巻き返しを誓って最終日をスタートさせた宮里藍は2バーディ、2ボギーのイーブンパー72と平凡なスコアで通算3アンダー16位タイで4日間の競技を終了。賞金ランク3位につけていたカーが3位タイに入ったため、賞金ランクも逆転され2位から3位に後退。1位の申との差は29万ドル（約2,600万円）と開き、最終戦での逆転女王の可能性はなくなった。