アルプスを臨む風光明媚なスイスで、ディフェンディング・チャンピオンのブレット・ランフォード（豪）が初日のトーナメントリーダー、ローリー・マッキルロイ（北アイルランド）の背中をとらえ、首位タイに躍り出た。

　欧州ツアーのオメガ・ヨーロピアン・マスターズ（スイス、クラン・サー・シエレGC）は現地時間5日、第2ラウンドの競技を終了。初日キャリアベストの『63』で飛び出した19歳の新鋭マッキルロイがイーブンパー71と足踏みする中、2日連続で4アンダー67をマークしたランフォードが通算8アンダーで首位に並んだ。

　1打差の3位タイに、この日2イーグルを奪い見せ場を作ったユアン・アベイト（アルゼンチン）の他、アレジャンドロ・カニザレス（スペイン）らが続き、現在同ツアー賞金ランク3位のミゲール・A・ヒメネス（スペイン）は通算5アンダーで第1ラウンドの13位タイから9位タイに順位を上げた。

「いつだって、爆発的なスコアを出した翌日は苦労するもの。『63』のあとは、どうやってもそれ以上は望めない。少なくてもスコアを落とさずパープレーで現状維持できたのは悪くない」と欧州ツアー史上3番目の年少優勝を目指すマッキルロイ。初日は後続に大差をつけてトーナメントをリードしたことで精神的に落ち着かなくなり、前夜は遅くまでテニスやアメリカンフットボールの中継を「観てしまった」と打ち明ける。「いろいろ考えてしまって、頭の中から（ゴルフの）結果が離れなくなってしまった」ので、邪念を払うため、頭を空っぽにしてスポーツ観戦で気持ちを切り替えたのだとか。

　もし今大会で優勝すれば、1971年のスパニッシュ・オープンでのデイル・ヘイズ（南ア／18歳）、1976年のダッチ・オープンでのセベ・バレステロス（スペイン／19歳）に次ぐ、史上3番目の年少優勝。ツアー通算50勝を誇る偉大な先輩バレステロスの記録に、わずか5日及ばないだけの快挙となる。

　一方、ランフォードもバレステロスの記録を目指す。というのも今大会で連覇を飾った選手は1978年のバレステロス以来、いないからだ。もし勝てば30年ぶりの連覇達成となり、こちらも大会史上にその名を刻む快挙となる。

　年少優勝か？　連覇か？　決勝ラウンドでの戦いが楽しみになってきた。