“スコットランドキラー”のグレゴリー・ハブレット（仏）が難コンディションをものともせず、単独トップに立った。

　欧州ツアーのジョニー・ウォーカー選手権 at グレンイーグルス（スコットランド、グレンイーグルス）が現地時間の28日開幕。ライダーカップの欧州チームメンバー発表を直前に控え、当落線上の選手が重圧の中で戦いを続けているが、この日はスコットランドと相性の良いハブレットが主役。6バーディ、1ボギーの5アンダー68をマークし、2位グループに2打差をつけ単独首位で第1ラウンドを終えた。

　3アンダー70、2位タイには同郷のクリスチャン・セバエアー（仏）の他、ポール・ブロードハースト（英）、地元のゲイリー・オール（スコットランド）、ロバート・ロック（英）の4人が続き、前週優勝のダレン・クラーク（北アイルランド）はリー・ウェストウッド（英）、ロス・フィッシャー（英）らとともに、1アンダー72で13位タイからのスタート。

「全体的にいいプレーが出来た。特に後半（10番スタート）の3連続バーディは会心だった」とこの日のラウンドを振り返ったハブレット。実は昨年のバークレイズ・スコティッシュ・オープンでは、世界ランク2位のフィル・ミケルソン（米）とプレーオフを戦い、強豪を破って優勝を飾るなど、スコットランドとの相性はすこぶる良い。今回は全英オープン以降、約1か月スケジュールをオフにして休養十分で水の合うスコットランドに乗り込んで来た。

「全英オープンまで4試合連続で出場して、ジ・オープンで20位以内に入ったとき、そろそろ休みを取って家族と過ごす時間が必要だと感じたんだ。体というより心をゆっくり休めて、リフレッシュするためにね」とハブレット。貴重な休みを有効に使ったことが、この日の快進撃につながったようだ。

　一方、前週オランダで優勝を飾り、ライダーカップの欧州チームキャプテン、ニック・ファルド（英）にその存在感を強烈にアピールしたクラークは、1アンダー72のラウンドに満足げ。「トリッキーな風が吹いて、コンディションが難しかったからね。このスコアには納得しているよ」と、首位と4打差からの逆転2週連続Vに意欲を見せた。

　2年前にヘザー夫人をガンで亡くしてから、限られたスケジュールの中、スランプが続いたこともあり、ポイントでのライダーカップ出場は不可能。ビッグイベントに出場するためにクラークに残された唯一の方法はキャプテン推薦だが、今週も好プレーを続ければこれまでの実績からいってメンバーに選ばれる可能性は高い。残り3日、クラークの戦いにも注目だ。