ロレーナ・オチョア（メキシコ）に半年振りの笑顔が戻った。

　米女子ツアーのナビスターLPGAクラシック（アラバマ州、RTJゴルフトレイル）は現地時間の4日、最終ラウンドの競技を終了。この日2アンダー70にスコアをまとめたオチョアが通算18アンダーとし、後続に4打差をつけ逃げ切りで今季3勝目、大会連覇を達成した。

　通算14アンダー2位タイにこの日のベストスコア6アンダー66と爆発したミッシェル・ウィー（米）とブリタニー・ラング（米）。通算13アンダー4位タイにヤニ・ツェン（台）と初日のトーナメントリーダー、ジャニス・ムーディ（スコットランド）の2人が入った。

　女王オチョアにとっては、苦しく長い道のりだった。4月に今季2勝目を挙げてから不調に陥り「シーズン後半は決してラクではなかった」と自ら語る通り、前週はソフィ・グスタフソン（スウェーデン）との優勝争いに競り負け、2位に甘んじた。「だからこそ、この1勝は大きいのです。良い思い出のあるこの場所で、良いプレーが出来て良かった。自分自身を誇りに思います」と万感の思いを口にした。

　最後は余裕の勝利だったが、前半はボギーが先行するなど苦しんだ。スコアを伸ばしたい5番パー5でダブルボギーを叩いたときにはリードを明け渡す寸前だったが、「まだ序盤。忍耐強くやれば大丈夫」と自分で自分を励まし、後半の3バーディにつなげた。勝利を決めた瞬間、メキシコからやって来た友人にビールで手荒い祝福のシャワーを浴び「匂いがきつい！」と苦笑したが、この勝利で11位に低迷していた賞金ランクも5位に浮上。「あと何勝かしてプレーヤー・オブ・ザ・イヤー（最優秀選手賞）を目指したい」と前を向いた。

　またこの日の主役に躍り出たウィーは、大会初日に以前から痛めていた足首を捻り、苦痛に耐えながらのラウンド。「とにかく痛くて、一歩一歩、前に進むだけで精一杯。スコアのことは全く頭になかった」と無心でのプレーが功を奏し「66」の好スコア。ゴルフが正式競技に選ばれるかもしれないIOC総会（オリンピック）出席のため、近々コペンハーゲン（デンマーク）を訪れるそうで「とても興奮している」と笑顔を見せた。

　尚、2日目トップタイに浮上し話題をさらった14歳のアマチュア、アレクシス・トンプソン（米）は2オーバー74を叩き、通算6アンダー27位タイに終わっている。また日本人選手は出場していない。