ヨーロッパを舞台に、来月に迫った欧米チーム対抗戦・ライダーカップ出場を巡り、熾烈な攻防が繰り広げられている。

　現地時間21日に開幕した欧州ツアーのKLMオープン（オランダ、ザントフォールト、ケンネマーG＆CC）は選手たちに重要な意味を持っている。残り2週で世界ランク、または欧州ツアーのポイントランク上位に入らないと、ライダーカップへの出場が遠のくからだ。選考レース大詰めを迎え各選手とも目の色が変わっているが、そんな中第1ラウンドトップに立ったのは、地元出身で世界ランク1196位の伏兵、ロルフ・ムンツ（オランダ）。ノーボギーの6アンダー64で回り、2位タイのソレン・ハンセン（デンマーク）、ジョン・ビッカートン（英）に1打差をつけた。

　4アンダー66で回ったアレキサンダー・ノーレン（スウェーデン）が単独4位。注目のジャスティン・ローズ（英）はノーボギーの3アンダー67をマークし、ラファエル・ジャクリン（仏）、サイモン・カーン（英）、ダミアン・マッグレイン（アイルランド）らと並び5位タイからのスタート。ダレン・クラーク（北アイルランド）は2アンダー68で、マイケル・キャンベル（ニュージーランド）らとともに13位タイにつけた。

「昨日の夜は全く眠れなかった。ようやく（午前）3時頃にうとうとしたんだけれど、体を休めることが出来なかった。今日はこれから少し昼寝でもしないと」と言うのは、欧州ツアーのポイントランク、現在7位のローズ。残り2試合で上位に食い込まないと、ポイントランクによるビッグイベントへの出場権を逃すとあって、プレッシャ?は我々の想像を絶するほど。重圧の中、まずまずのスタートを切りホッと胸をなで下ろした。

　ヨーロッパ出身の選手にとって、ライダーカップに出るか出ないかでは、ステータスも人気も大きな差がつく。ラストチャンスにかけるローズは、「ライダーカップに注目が集まっているのはわかっているけれど、今は目の前の試合に集中しなければ」と気を引き締めた。