男子メジャーより先に開幕する米女子メジャーの第1戦はクラフト・ナビスコ選手権（現地時間4月2?5日、カリフォルニア州ランチョ・ミラージュ、ミッション・ヒルズCC）。大会連覇にかける女王、ロレーナ・オチョア（メキシコ）が第1ラウンドから大きく出遅れる波乱の幕開けの中、トップスタートを切ったのは飛ばし屋のブリタニー・リンシコム（米）だった。日本勢は宮里藍、上田桃子、福嶋晃子、不動裕理、横峯さくら、古閑美保の6人が出場し、福嶋、古閑以外の4人が決勝ラウンドに進出した。

　1打差に実力者がひしめく大混戦で迎えた第3ラウンド。ツアー3年目のクリスティー・マクファーソン（米）が単独トップの座をキープした。2オーバー74とスコアを崩したものの、通算3オーバーに踏ん張った横峯が20位タイで日本勢最高。最終ラウンドは18番で約1.2メートルのイーグルパットをねじ込んだ初日トップの23歳、リンシコムが最後の最後に逆転でメジャー初優勝。「信じられない。何と言っていいかわからない」と感激し、優勝者恒例の18番の池へのダイブを披露した。横峯は25位タイで終戦。

　メジャー第2戦のマクドナルドLPGA選手権（6月11?14日、メリーランド州ハバー・ド・グラース、ブルロックGC）にはツアールーキーの宮里美香が初挑戦。第1ラウンドはオチョアや前大会覇者のヤニ・ツェン（台）、ルーキー離れした活躍を見せる申智愛（韓）らがいずれも出遅れ、予選ラウンドを終えトップはやはりルーキーのアンナ・ノルドクビスト（スウェーデン）。宮里（美）、上田も予選を突破した。

　連日の悪天候に第3ラウンドは雷雨で順延。最終日は1番のバーディで波に乗ったノルドクビストが後続に4打差をつけ、プロ5試合目にして早くもメジャー優勝を成し遂げた。宮里（美）は39位タイ、上田は57位タイに終わった。

　日本勢7人が出場したのが第3戦の全米女子オープン（7月9?12日、ペンシルベニア州ベスレヘム、ソウコン・バレーCC）。第1ラウンドは上田が首位に4打差の12位タイと好発進を切る。だがナショナルオープンということもあり、予選2日を終え上位は米国勢が独占していた。第3ラウンドが終了し、通算アンダーパーはクリスティ・カー（米）だたひとり（通算2アンダー）。2打差の2位に池恩熹（韓）、宮里（藍）が粘り強いプレーで通算6オーバー17位タイに浮上した。

　最終ラウンドは難コースに最後まで大混戦。最終的に通算アンダーパーはおらず、通算イーブンパーの池が逆転V。宮里（藍）は「落ち着いて自分と向き合って1打1打をプレーできた」と、6位タイに順位を上げ大会を終えた。

　エビアン・マスターズで米ツアー挑戦4年目、悲願のツアー初勝利を飾ったばかりの宮里（藍）が臨んだ翌週のメジャー第4戦、全英リコー女子オープン（7月30?8月2日、英、ランカシャー、ロイヤル・リザム＆セント・アンズGC）。三塚優子が4位タイの絶好の滑り出しをみせる。第2ラウンドを終えても、三塚3位、宮里（藍）10位タイと、77年全米女子プロで優勝した樋口久子以来となる日本人のメジャータイトル獲得に俄然、注目が集まった。宮里（藍）は最終ラウンドを3位タイで迎え、途中、カトリオーナ・マシュー（スコットランド）と首位を並走。だが大詰め17番の痛恨のダブルボギーで後退。5月に第2子を出産したばかりの39歳マシューがメジャータイトルに輝いたが、宮里（藍）のメジャー制覇もそう遠くはないと感じさせる一戦だった。