エビアン・マスターズで待望の米女子ツアー初優勝を飾った宮里藍が、その勢いのままメジャーに挑む。

　同ツアーのメジャー今季最終戦、全英リコー女子オープンは現地時間30日、英、ランカシャーのロイヤル・リザム＆セント・アンズGCで開幕。前哨戦で勝利し、出場選手の中で最も好調なプレーヤーとして大会を迎える宮里（藍）の周囲には笑顔と祝福の言葉が絶えないが、あえて封印して大一番に臨む。

「18ホールすべてでバーディを獲る」というポジティブな考え方“54ビジョン”。その著者で、宮里（藍）のコーチでもあるピア・ニールソン氏が祝福ムードを引き締めた。久々にコースで再会したニールソン氏が「もう1度気持ちをリセットして、元に戻してやり直しましょう」とビシッと一言。ともすればお祝いムードに包まれがちな宮里（藍）の気持ちをメジャーに集中させた。

　ニールソン氏は昨季限りで引退したアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）と同郷で、長い間そのサポートをしてきたことでも知られる。それだけにモチベーションを保ち、勝ち続けることの難しさを誰よりも分かっている。だからこそ、宮里（藍）に気持ちの切り替えを勧めた。

　この言葉を聞いて、好調さの上に慎重さと勝ちに行く気持ちを重ね合わせた宮里（藍）は元気いっぱい。予選ラウンドの組み合わせも、女王ロレーナ・オチョア（メキシコ）、カレン・スタップルス（英）と一緒で、さらに気合いが入る。2週連続Vで今度はメジャー優勝へ。期待を一身に背負い、宮里（藍）のメジャーでの戦いが始まる。

　日本勢は他に上田桃子、大山志保、宮里美香の米ツアー常駐組3人が参戦する。そして国内女子ツアーで賞金女王の経験を持つ不動裕理、エビアン8位タイで気分良く乗り込んできた三塚優子、諸見里しのぶ、斉藤裕子、有村智恵の合計9人が出場。宮里（藍）の勝利に刺激を受けて、ビッグタイトルを狙う。

　舞台となるロイヤル・リザム＆セント・アンズGCは、大西洋からの強風と、アンジュレーションのきついグリーン、それに200個を超えるバンカーが待ち受ける難コース。大会開催は4回目となるだけに経験豊富な選手も多いが、近頃の女子メジャーは若手が勝つケースも多く、激戦は避けられそうもない。