池恩熹（韓）が鮮やかなバーディで混戦に終止符を打ち、初のメジャータイトルを手にした。

　現地時間12日、ペンシルベニア州ベスレヘムのソウコン・バレーCCで行われた米女子ツアーのメジャー今季第3戦、全米女子オープン最終ラウンドは大混戦。2007年に続く大会制覇を目指して首位発進したクリスティー・カー（米）が、大詰めの16番で3パットのボギーを叩いて一歩後退。通算2オーバーにスコアを落とし、先にホールアウトしたキャンディ・クン（台）、同じ最終組の池に1打差をつけられて最終ホールを迎えた。

　大会2勝目へ望みを託したバーディパットは、わずかにカップの左側を抜け、グリーン上に座り込むカー。その目の前で、池は約6メートルのバーディパットをねじ込んで、プレーオフを待つ通算1オーバーのクンとカーに引導を渡した。ボールがカップに吸い込まれた瞬間、右手を何度も突き上げるガッツポーズを見せた池。10番でダブルボギーを叩いたときには優勝争いから消えかけたが、執念深いプレーで盛り返した。イーブンパー71の通算イーブンパーでフィニッシュし、ツアー2勝目とビッグタイトルを手に入れた。

　一方、カーはキム・インキョン（韓）と同じ通算2オーバー3位タイ、クラフト・ナビスコ選手権優勝のブリタニー・リンシコム（米）が通算3オーバー単独5位。大会初優勝を狙ったロレックスランク（女子世界ランク）No.1のロレーナ・オチョア（メキシコ）は、マクドナルドLPGA選手権を制したアンナ・ノルドクビスト（スウェーデン）、ベテランのジュリー・インクスター（米）らと並ぶ通算9オーバー26位タイだった。

　日本勢はツアー4年目の宮里藍が、一時優勝も狙えるゴルフを披露した。通算6オーバー17位タイでこの日を迎えると、安定したドライバーと切れのいいアイアンで、次々にグリーンをとらえていく。前夜の大雨でソフトになったグリーンを的確に把握して、4バーディ、2ボギーの2アンダー69。通算4オーバー6位タイでホールアウトした。「落ち着いて自分と向き合って1打1打をプレーできた。最終日をこういう精神状態でプレーできたのは理想的。最終組の自分をイメージしていました」と近い将来のメジャー優勝を匂わせる発言を残しており、3週間後の全英リコー女子オープンも期待が持てそうだ。

　その他、福嶋晃子が通算8オーバー17位タイ、上田桃子が通算12オーバー40位タイ。不動裕理と宮里美香は通算15オーバー57位タイに終わった。