昨季ツアー7勝を挙げ、3年連続8度目の賞金王に輝いたタイガー・ウッズ（米）。第2次黄金期を迎えている無敵の王者に、年間グランドスラムの期待がかかっている。

　長い歴史の中で年間グランドスラムを達成しているのはボビー・ジョーンズ（米）だけ。マスターズの創設者であり、28歳の若さで現役を引退したことでも有名な球聖ジョーンズは1930年、全米オープン、全米アマ、全英オープン、全英アマの4冠に輝きグランドスラムを達成している。現在メジャーと称されるのはマスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロなので当時とは比べられないが、世界で最も大きな大会4つを同じ年に制したのは記録上ジョーンズだけ、ということになっている。

　昨年12月に行われたオフ恒例のイベント、ターゲット・ワールド・チャレンジ（ホストはタイガー）では約2か月のブランクをものともせず、世界のトッププロ相手に圧勝し、「タイガーはまったくひどいホストだね。ゲスト（他のプレーヤー）に何の気遣いもないんだから」と手ひどくやられた選手たちが苦笑いをした、というエピソードがある。それだけ今のタイガーの強さは群を抜いているということだろう。

　言い方を変えれば、ライバルたちが“白旗”状態の今は、タイガーにとって年間グランドスラムへの大きなチャンス。これまで数々の勲章を手にし続け、今、円熟期を迎えるタイガーなら、夢を託しても良さそうだ。まずはマスターズで1勝すること。それが今季のタイガーに課せられた最初のミッションである。