かつて日本勢がこれだけリーダーボードをにぎわしたことがあっただろうか？

　米女子ツアーのメジャー今季最終戦、全英リコー女子オープンは英、ランカシャーのロイヤル・リザム＆セント・アンズGCを舞台に現地時間の1日、第3ラウンドを行った。前日10位タイに浮上した宮里藍が2つスコアを伸ばし、通算イーブンパー。首位に4打差の3位タイまで順位を上げ、いよいよ日本勢約32年ぶりのメジャー優勝、さらに2週連続Vへの期待が高まってきた。

　しかも活躍しているのは宮里（藍）だけではない。この日ディフェンディング・チャンピオンの申智愛（韓）と同組で回ったルーキーの宮里美香が難コース相手に3アンダー69をマークし、通算1オーバー5位タイにジャンプアップ。諸見里しのぶもアンダーパー（1アンダー71）でラウンドし、通算2オーバー7位タイの好位置をキープした。一時首位タイまで浮上した三塚優子は中盤以降崩れて7オーバー79を叩き、通算5オーバーで18位タイに後退。だが、トップ10以内に3人の日本勢が名を連ねる展開はエキサイティングだ。

　前日に引き続き、宮里（藍）は出だしの1番パー3でティーショットを約2メートルにつけてバーディ発進。2番でティーショットをバンカーに入れてボギーとするも、6番でバーディ。8番では約4.5メートル、9番では実に約9メートルものバーディパットをねじ込み、着々とスコアを伸ばした。11番でこの日5つ目のバーディを獲ったが、12番でバンカーから寄せきれずにボギー。14番もティーショットをバンカーに入れてパーセーブできなかった。それでもトーナメントリーダーのカトリオーナ・マシュー（スコットランド）とは4打差。エビアン・マスターズに続く2週連続優勝は十分射程圏内だ。

「メジャーという意識はあまりありません。すごくリラックスして心地良いプレーが出来ています。先週の優勝で自信も戻ってきましたし、明日は我慢して自分のゴルフに集中するだけです」と落ち着いた口調で語った宮里（藍）。5年前にメジャーに初めて挑戦した大会がこの全英。そのときは準備万端のはずが予選落ちに終わり大粒の涙をこぼした。3年前、今回と同じロイヤル・リザム＆セント・アンズで戦ったときは最終日に素晴らしいゴルフを披露し手応えを感じた。そして今年、米ツアー初優勝を達成した前週の好調そのままに、ショット、パットともに冴えている。最終ラウンドはコンディションが難しくなるほど、宮里（藍）は有利な展開になるはずだ。

　上位は産休が明けてツアーに復帰したばかりのマシューが通算4アンダーで単独トップ。3打差の2位にクリスティーナ・キム（米）が続き、宮里（藍）と同じ3位タイに連覇を狙う申。さらに諸見里と並ぶ7位タイに悲願のメジャー初制覇を目指すポーラ・クリーマー（米）の名前もある。

　その他の日本勢は不動裕理が通算7オーバーで、ミッシェル・ウィー（米）らと共に30位タイ。この日5つスコアを落とした上田桃子は通算11オーバー47位タイに低迷している。