全英オープンで過去2度トップ5入りを果たし、将来を嘱望される若手のひとりクリス・ウッド（英）が好調なゴルフで単独トップに躍り出た。

　欧州ツアーのスペイン3連戦の2戦目、イベルドロラ・オープン（プーラGC）は現地時間13日、第2ラウンドの競技を終了。6位タイからスタートしたウッドが6バーディ、1ボギーの5アンダー65の好スコアで回り、通算8アンダーで後続に3打差をつけトーナメントをリードした。

　通算5アンダー2位タイに2008年のKLMオープン以来、3年ぶりの優勝を狙うダレン・クラーク（北アイルランド）とルーキーのマシュー・ニクソン（英）が続き、通算4アンダー4位タイにトーマス・レベ（仏）とデビッド・リン（英）の2人がつける展開。

　厄介な風が吹く難しいコンディションの中、ウッドは「作戦が的中した」と賢いコースマネジメントでバーディ攻勢をかけリーダーボードの最上段をゲット。デビュー3年目、ツアーで屈指の長身プレーヤーは、これまで14度トップ10入りを経験しており、今季も開幕直後のアフリカ・オープンでプレーオフに進出しながら惜敗するなど、いつ勝ってもおかしくない状況が続いている。もちろん周囲も初優勝を期待しているが「時間の問題」と本人は涼しい顔。「いつかは勝てるときが来るでしょう。そのときまで、まずはなるべく多くこうして優勝を狙えるポジションで戦うことが大事」と冷静に今後の展望を口にした。後続にはかつてライダーカップの常連でツアー通算12勝を誇るベテランのクラークら強豪がつけているが、未完の大器は「自分のゴルフに徹すること」で活路を見いだそうとしている。

　尚、初日コースレコードの『63』を叩き出し単独首位に立っていたグレゴリー・ボーディ（仏）はこの日、別人のゴルフでスコアを7つ落とし、通算イーブンパーで20位タイへと大きく順位を下げた。同じ20位タイには先週54歳の若さで他界したスペインの英雄セベ・バレステロスを兄と慕い「試合で良いプレーをすることがセベの弔い」と語ったホセ・マリア・オラサバル（スペイン）らがつけている。