世界ランキングNo.2のフィル・ミケルソン（米）が、欠場中のタイガー・ウッズ（米）に代り主役の座を担っている。

　米男子ツアーの今季第4戦ファーマーズ・インシュランス・オープンは現地時間28日、カリフォルニア州サンディエゴのトリーパインズGCを舞台に開幕。昨年まではビュイック招待という大会名で親しまれてきたが、世界的な経済不況の影響でスポンサーが撤退し、先週ようやく大会名の変更が発表された。

　大会の舞台となるトリーパインズは、現在“雲隠れ”しているタイガーが常勝と言っていいほど得意にしているコース。08年の全米オープンでもロッコ・メディエート（米）相手に19ホールのプレーオフを演じた末に勝利を収めたことは記憶に新しい。だが、今年はそのタイガーがいない。こうなると本命に浮上してくるのが地元・サンディエゴ出身のミケルソンだ。

　今年6月に40歳の誕生日を迎えるミケルソンは、一昨年の秋から積極的に海外進出を行い始め、昨年は米ツアー3勝の他に中国・上海で行われたWGC-HSBCチャンピオンズでも優勝。今年も今大会から5試合をこなしてマスターズに臨む予定を組むなど精力的にプレーする意向でおり、タイガーの留守中に大暴れする公算は高い。

　一方、今年は米ツアー専念を打ち出しているエルスも「今、倒すべき男はフィル（ミケルソン）」と明言しており、打倒ミケルソンにやる気満々。西海岸シリーズはこの2人を中心に戦いが繰り広げられる可能性が高そうだ。

　その一方で気になるのが、西海岸を襲っている豪雨だ。先週のボブホープ・クラシックでも1年分以上の雨がわずか1日で降り2日目の競技が中止となっていたが、ここサンディエゴも例外ではなかった。コースは甚大な被害を受けており、それによって大会は予想外の展開を見せることも十分に考えられる。選手たちはいつも以上に自然との上手な付き合い方が必要で、体力、気力、忍耐力もより問われることになりそうだ。

　なお、ダイエットでシルエットの変わったジョン・デイリー（米）や今田竜二、トリーパインズでタイガーと死闘を見せたメディエートも今大会に参戦。タイガー不在の中で白星を挙げようと目論んでいる。