米男子ツアーのレギュラーシーズン最終戦、ウィンダム選手権で初優勝し、プレーオフシリーズ第2戦のドイツ銀行選手権で早くも2勝目を飾ったばかりのウェブ・シンプソン（米）が、いきなり賞金王を狙っている。

　プレーオフシリーズを終えた米ツアーは、来季の出場権が得られる125位を争うフォールシリーズに突入し、今週はその第3戦、マクグラドレー・クラシック（現地時間13?16日／ジョージア州、シー・アイランドGCシーサイドC）が開催される。だが、現在576万8,243ドル（約4億4,000万円）を稼いで賞金ランキング2位につけているシンプソンを始め、賞金ランキングトップ30のうち9人が出場。さらにかつてのメジャー王者たちや、様々な思惑を抱えた選手たちが集結しており、フィールドは厚い。単なる出場権争いとは少し違う様相を示している。

　賞金ランキング首位は、史上初の欧米両ツアー賞金王タイトルを狙うルーク・ドナルド（英）だが、今大会には出場しない。シンプソンはこれを6万8,971ドル（約530万円）差で追っている。ドナルドが大会に出ていないため、シンプソンがこれを超える額を稼げば、首位に躍り出ることができるということだ。

　シンプソンがドナルドを抜いても、次週のツアー最終戦、チルドレンズ・ミラクル・ネットワーク・クラシック（20?23日／フロリダ州、マグノリアGC他）のエントリー締め切りは、今大会2日目（14日）の米東時間午後5時。ドナルドがこれに出場すれば、賞金王争いは最後まで持ち越されることになり、フォールシリーズの盛り上がりはピークに達する。ツアーフル参戦3年目、26歳のシンプソンが、このクライマックスを演出することができるかどうかに注目だ。

　先週、ワンアジアツアーのコロン韓国オープンでプロ初優勝を飾ったばかりで、米ツアー初タイトルを狙うリッキー・ファウラー（米）、昨年の全英オープン王者、ルイス・ウーストハウゼン（南ア）らも参戦し、激戦が予想される。

　また、来年のライダーカップ米国チーム主将で、大会の舞台、シー・アイランドに長く住んでいるデービス・ラブIII（米）も、2008年チルドレンズ・ミラクル・ネットワーク・クラシック以来のツアー通算21勝目にターゲットを絞っている。同じ組で回る2007年マスターズ王者ザック・ジョンソン（米）、ブラント・スネデカー（米）は、いずれも近くに引っ越してきたばかり。ご近所さん3人が、大勢のギャラリーを引き連れてホームコースでプレーする姿にも注目だ。

　日本勢は、今田竜二がただ一人出場。現在賞金ランキング88位と、来季の出場権は安泰だが、2008年AT&Tクラシック以来のツアー2勝目を挙げて気分よくシーズンを終えようと、奮闘を続ける。