優勝賞金100万ドル（約1億1,000万円）のビッグイベントの幕が切って落とされた。

　米女子ツアーのシーズン最終戦、ADT選手権がフロリダ州ウェストパームビーチのトランプ・インターナショナルGCを舞台に現地時間の15日開幕。条件を満たした32名のみに出場が許されるエリートフィールドで、第1ラウンド5アンダー67をマークしたクリスティーナ・キム（米）と金美賢（韓）の2人が首位を分け合った。

「100万ドルの賞金のこと？　もちろん考えたわよ。前の組が詰まって待ち時間があるときなんかに、“100万ドルあればロールスロイスが3台買えるわ”とか、いろんな空想をして楽しんだわ。でもまだ日曜日じゃないし、後半はさすがにプレーに集中したけれど」と言うのは首位タイの好発進を切ったキム。この日ノーボギーの完璧な内容に加え、15番パー5では自身にとって今季6個目のイーグルを奪い、トーナメントをリード。「この試合に出られただけでも光栄なのに、いいプレーができて良かった」と満面の笑みを浮かべた。

　今大会は第1、第2ラウンドまでの36ホールで1度目の予選カットが行われ、3日目に進めるのは上位16名。第3ラウンドはさらに半数の8名が脱落。最後は最終ラウンドの成績だけで優勝者が決まる変則サバイバルレース。一発勝負の要素が強く、爆発力のあるキムには有利な展開になりそうだ。

　その他上位は4アンダー68をマークした前週のチャンピオン、ポーラ・クリーマー（米）と、ツアー最年長優勝を目指す47歳のジュリー・インクスター（米）が3位タイ。世界ランク1位のロレーナ・オチョア（メキシコ）は16番までに6アンダーとトーナメントを引っ張ったが、17番パー3で2度池に入れるアクシデントに見舞われ、そのホールだけで『7』の大叩き。スコアを2アンダー70まで落とし、単独7位からのスタートとなった。

　2年連続今大会出場の宮里藍は前半3ボギー、1ダブルボギーの41と先行きが危ぶまれたが、後半3つのバーディ（1ボギー）を奪って立ち直り、3オーバー75。出場32人中18位タイとスランプ真っ只中にしてはまずまずの滑り出し。第2ラウンドで上位16人に入らないと、即アウト。予報では風が強まり気温も下がるらしく厳しい条件が重なるが、最後の力を振り絞って有終の美を飾ってもらいたい。