惜しまれつつ第一線を退いたロレーナ・オチョア（メキシコ）が母国にゴルフを広めるために作った大会が、現地時間10日に幕を開ける。

　米女子ツアーの一戦でもあるロレーナ・オチョア招待（メキシコ、グアダラハラCC）には、今季8勝目を狙う現在ロレックスランキング（女子世界ランキング）1位でオチョアの後継者とも言えるヤニ・ツェン（台）をはじめ、同ランクトップ20のうち17人が参戦。同大会では8位タイが最高と今ひとつのツェンも、大会初優勝に照準を合わせている。

　また、2009年大会で待望のツアー初優勝を飾ったミッシェル・ウィー（米）も出場。思い出の地で再びの勝利を狙う。

　他にスーザン・ピーターセン（ノルウェー）、クリスティー・カー（米）、ポーラ・クリーマー（米）、モーガン・プレセル（米）らも出場。日本勢も宮里藍、宮里美香の2人が顔を揃える。

　大会ホステスであるオチョアは、第一線を退いた後も同大会ではプレーしてきたが、数週間後に出産を控えている今年はさすがに断念。「ロープの外から選手たちに挨拶して、プレー以外の仕事を一生懸命する。今までとはまったく違うけど、エンジョイしたい」と笑顔を振りまいている。

　バリバリの強さを見せていた頃とは違う母親の顔ものぞかせている。独身の若手選手が多いだけに、オチョアのライフスタイルに興味を持つ者も多い。ツェンは「（オチョアの）お腹はすごく大きい。きっと男の子だと思う。ロレーナ（・オチョア）に会えてうれしい。もちろんプレーしてくれれば最高だけど、彼女に赤ちゃんがもうすぐ生まれるなんて私はとても嬉しい。とても幸せそうに見えます」と、自分のプレーのことだけでなく、先輩の幸せぶりについても口にした。

　オチョアの周囲に幸せムードが漂う中、戦いが始まればいつものようにぴりぴりとした空気が選手たちを包む。メキシコが生んだヒロインの名を冠した大会は、女子プロたちの様々な思いの中で熱戦が繰り広げられるに違いない。