ヤニ・ツェン（台）が、ロレックスランキング（女子世界ランキング）1位の貫禄を見せつけ今季6勝目、ツアー通算11勝目を達成した。

　韓国・仁川のスカイ72GCオーシャンCを舞台に、3日間に渡って熱戦を繰り広げた米女子ツアーアジアシリーズ初戦、LPGAハナバンク選手権は現地時間9日に最終ラウンドの競技を行い、この日ノーボギーの5アンダー67をマークしたツェンが通算14アンダーとし、大会3連覇を目指したナ・エン・チョイ（韓）に1打差をつけ優勝を飾った。

「こんなに大勢のギャラリーの前でプレーしたのは生まれて初めてです」と百戦錬磨のツェンが驚くほど、大勢のファンに囲まれて達成したシーズン6勝目。前半3バーディを奪って前日トップのヤン・ソージン（韓）を逆転すると、そこからは誰にもトップを譲らぬ完璧なゴルフ。とはいえ10番、11番でチョイが連続バーディを奪い、ツェンがチャンスにパットを決められなかった場面では「苦しかった」と本音もポロリ。「タフな戦いでした。ナ・エン（・チョイ）が凄く良いプレーをしていましたからね。でも、苦しいときにも笑顔を忘れないよう自分に言い聞かせて、リラックスを心がけました。優勝出来たのは楽しめたお蔭」とトレードマークの笑顔を見せたツェン。

　2年前のこの大会ではチョイが最終ホールでバーディを奪い、追いすがるツェンを1打差で下し地元Vを達成しているが、ツェンが「経験を積んで2人とも強くなった」という今回は、不動の世界No.1が貫禄の勝利をものにした。

　優勝争いが2人に絞られる中、通算11アンダーで3位タイに入ったのが、最終日に6アンダー66と爆発したブリタニー・リンシコム（米）の他、地元のジミン・カン（韓）と前日トップの20歳ヤン。通算10アンダー単独6位にミーナ・リー（韓）が食い込んだ。

　また唯一の日本勢、上田桃子も健闘。2日目に続き最終日も4バーディ、1ボギーの3アンダー69をマークし、通算5アンダーで31位タイから19位タイに浮上。スイング改造後、なかなか結果を出せずに苦しんできたが、ここにきて復調の兆しが見えてきた。