かつてタイガー・ウッズ（米）から世界ランク1位の座を奪い獲ったことのあるビジェイ・シン（フィジー）が快調なゴルフで単独トップに立った。

　米男子ツアーのアーノルド・パーマー招待（フロリダ州オーランド、ベイヒルC＆ロッジ）は現地時間の14日、第2ラウンドを行い、初日3位タイにつけていたシンが1イーグル、4バーディ、1ボギーの5アンダー65をマーク。通算9アンダーとし、2位のカール・ペターソン（スウェーデン）に2打差をつけトーナメントをリードした。

　3打差の3位タイにリー・ウェストウッド（英）、ジム・フューリック（米）、ケン・デューク（米）が続き、ノーボギーの4アンダー66で回ったセルヒオ・ガルシア（スペイン）が通算4アンダーで10位タイに浮上。第1ラウンド首位タイのフレッド・カプルス（米）はこの日スコアを3つ落とし、通算2アンダー20位タイに後退した。

「何か特別なことをしたわけじゃないけれど、いいラウンドだった。強いていえばドライバーが好調だった。雨が降り始めたし、下が濡れれば（コースが）難しくなるから、この位置（トップ）を確保できて良かった」とシン。絶好調に見えるが、実は今大会が始まる前、体調不良で“練習の虫”が全く練習をできなかったのだとか。「ジョニー・ウォーカー（前々週の欧州ツアー）で食あたりをして、おまけに風邪で発熱。もう散々だった」と本人。食事もとれず、トイレに通いどおしで、1週間で8キロ体重が減ったと言う。こういうときは本業のゴルフで結果を出すことが、一番の薬になる。残り2日「たくさんチャンスを作っていい結果を出したい」と、シンは久々の優勝に意欲を見せた。

　一方、今季4連勝（米ツアーは3連勝）がかかるタイガーは、この日もパットが入らずイライラ気味。3バーディ、1ボギーの2アンダー68で回り（通算2アンダー）、第1ラウンドの34位タイから20位タイに順位は上げたものの「グリーンのスピードがまだつかめない」と納得のいかない表情。「ショットは決して良くないが、戦えるレベルにはある。しかし、パットはショートしてばかりで、全く入ってくれなかった。ただ残り2日で7打差は十分射程圏内だと思っている」と希望は捨てていない。ツアー通算64勝目を狙うタイガーにとって、遅いグリーンをどう攻略するかが勝敗を分ける鍵となりそうだ。