20歳になった元祖“天才少女”ことミッシェル・ウィー（米）が、初日からトップの座を守りきる完全優勝で昨年11月以来となるツアー通算2勝目を挙げた。

　現地時間29日に行われた米女子ツアーのCNカナディアン女子オープン（カナダ、セントチャールズCC）最終ラウンド。世界ランク4位の申智愛（韓）に通算10アンダーで首位に並ばれ迎えた大会最終日、世界ランク12位のウィーは4番でボギーが先行する苦しい滑り出し。しかし後半13番から3連続バーディを奪い混戦を抜け出すと、最後は後続に3打差をつける通算12アンダーまでスコアを伸ばし、見事な完全Vで栄冠を手にした。

　親友のクリスティーナ・キム（米）からシャンパンシャワーの手荒い祝福を受け、逃げ惑いながら満面の笑みを浮かべたウィー。「ツアーで初勝利を挙げた去年の11月から、こうして今大会で優勝するまですごく長かった。周囲の期待とプレッシャーがかかる中、自分のゴルフを貫けたことが嬉しい。本当に大感激！」と、念願の2勝目に喜びを爆発させた。

　終盤まで接戦が続いたが最終的には2位タイの申、連覇を狙ったスーザン・ピーターセン（ノルウェー）、最終日に6アンダー66の猛チャージを見せたクリスティー・マクファーソン（米）、飛ばし屋リー・ジヨン（韓）の4人に3ストロークの大差をつける余裕の勝利。「タフな戦いを制すことができたのは、やっぱり初日のホールインワンのおかげかも。本当にアレが入ってくれて良かったわ…」と、安堵に胸をなで下ろしたウィーの姿が印象的だった。

　一方、初日63位タイと出遅れた現世界ランクNo.1の宮里藍は、この日5バーディ、2ボギーの3アンダー69で回り通算4アンダー。最終的には15位タイまで順位を上げて4日間の競技を終えた。3日目にはコース上に現れた蚊の大群に苦しむ場面も見られ、「自分のルーティンが全くできなかった。どんな状況下でも自分自身をコントロールしなきゃならない。そのことの重要さを改めて痛感しました」と、先週のセーフウェイ・クラシックに続く2週連続Vは叶わなかったが、優勝とは別の意味で収穫のある大会だったようだ。

　また、カットラインぎりぎりの59位タイで予選を通過した宮里美香は決勝ラウンドで大奮闘。3日目、最終日ともにノーボギーの4アンダー68をマークし、通算4アンダーまでスコアを伸ばした。同郷の先輩・宮里藍と同じ15位タイで大会を終え、今後の戦いに弾みをつける結果となっている。