次週に迫ったメジャー初戦マスターズ・トーナメントで3度目のグリーンジャケットを狙うフィル・ミケルソン（米）が、コースレコードタイの猛チャージでリーダーボードの最上段に躍り出た。

　マスターズ前哨戦でもある米男子ツアー、シェル・ヒューストン・オープン（テキサス州、レッドストーンGC）は現地時間2日、第3ラウンドの競技を行い、21位タイからスタートしたミケルソンが9バーディ、ノーボギーの9アンダー63と爆発。通算13アンダーまでスコアを伸ばし、スコット・バープランク（米）とともに首位の座を分け合った。

「スタートホールのバーディが効いた。あそこで流れが来て、最後までそれが途切れなかった」と大会史上4人目の『63』をマークしたミケルソン。「ここ数か月、ドライバー、アイアン、アプローチ、パター、すべての要素がかつてないほど充実している感触があった。でも試合になるとその要素を噛み合わせることが出来なかった。でも今日ようやくそれが出来たね」と納得の表情。パー3を除く14ホール中フェアウェイをキープしたのは10ホール。グリーンを外したのは18ホール中わずかに1ホール。しかも27パットに収める完璧な内容でスルスルとリーダーボードを駆け上がった世界ランクNo.6。第1ラウンドで『63』をマークした06年の前哨戦（ベルサウス・クラシック）ではスタートダッシュを活かしてそのまま優勝を飾り、翌週のマスターズで2試合連続Vを達成している。

「今週良いプレーをすれば、そのままオーガスタ（マスターズ）にも良い流れと自信を持って乗り込むことが出来る」と、天才レフティーは本丸のメジャー制覇も視野に入れ、残り18ホールを全力で駆け抜けるつもりだ。

　その他上位は通算12アンダー3位タイに前日トップのツアールーキー、クリス・カーク（米）とアーロン・バデリー（豪）が続き、通算11アンダー5位タイにディフェンディング・チャンピオンのアンソニー・キム（米）とデビッド・ハーン（カナダ）がつける展開。上位選手のうちミケルソン、バデリー、キムはマスターズへの出場権をすでに保持しているが、その他の選手にとって今大会はオーガスタ行きの切符を懸けたラストチャンス。勝たなければメジャーに出場出来ない状況で、果たしてビッグネーム、ミケルソンを撃破する強者は現れるのだろうか？