ディフェンディング・チャンピオンを含め世界ランク上位選手がこぞって出遅れる中、復活を目指すニコル・キャストラール（米）が単独トップに立った。

　大会史上最長の全長6,641ヤードを誇るブルロックGC（メリーランド州ハバー・ド・グラース）を舞台に現地時間11日に開幕した米女子ツアー今季メジャー第2戦マクドナルドLPGA選手権は、第1ラウンドから波乱の展開。ここのところ降り続いた雨で、長いコースがさらに厳しさを増す中、ハーフの大会ベスト（6アンダー30）をマークし7アンダー65で回ったキャストラールが単独トップに立った。1打差の2位にルーキーのアンナ・ノルドクビスト（スウェーデン）が続き、2打差の単独3位にシャンシャン・フェン（中）がつけている。

　4アンダー68の4位タイにステイシー・ルイス（米）やアシュリー・サイモン（南ア）、ナ・エン・チョイ（韓）らがつけ、注目のミッシェル・ウィー（米）は2アンダー70、15位タイからのスタート。

　リーダーボード上位はフレッシュな顔ぶれが揃う一方で大物は苦戦。メジャー3勝目を狙う世界ランク1位のロレーナ・オチョア（メキシコ）は2バーディ、2ボギーのイーブンパー72と平凡なスコアで34位タイ発進。連覇を狙うヤニ・ツェン（台）は1オーバー73とふるわず、申智愛（韓）らと並び52位タイと出遅れ、日本勢は宮里美香の34位タイが最高。スランプ脱出の手がかりを模索する上田桃子は、ボギーを6つ叩き（2バーディ）4オーバー76の117位タイに低迷し、大山志保も6オーバー78で137位タイと下から数えた方が早い順位に甘んじた。

　久々優勝争いに絡めそうなキャストラールは「ようやく明るい兆しが見えて来た」とホッとした表情。07年に1勝を挙げ、トッププロの仲間入りを果たしながら、昨季は勝星がなく賞金ランクも33位とパッとせず「苦しい時間を過ごして来た」と振り返る。周囲の期待、それ以上に自分で自分に期待する気持ちが空回りして結果が伴わず、やがて優勝したことさえ忘れ去られそうになっていた。

　だが今季、キャディを務める夫のクレイグやコーチの支えで立ち直り「ショットとパットが噛み合って来た」と手応えを感じた矢先の首位発進。今大会は2年連続でベスト10入りを果たすなど相性が良い。「難しいセッティングになると燃える。メジャーは大好き」と言う強気のキャストラールが、ビッグネームを差し置いて優勝候補の筆頭に躍り出た。