18番で約1.2メートルのイーグルパットがカップに吸い込まれる。ブリタニー・リンシコム（米）が最後の最後に逆転した瞬間だ。

　米女子ツアーのメジャー今季初戦、クラフト・ナビスコ選手権最終ラウンド（カリフォルニア州ランチョ・ミラージュ、ミッション・ヒルズCC）は現地時間5日、最終ラウンドの競技を行った。通算6アンダー3位でスタートしたリンシコムは首位のクリスティー・マクファーソン（米）、2位のクリスティー・カー（米）と共に最終組で激しいデッドヒートを展開。難コースのミッション・ヒルズCCを相手に、3人揃って手に汗握るプレーを繰り広げた。

　飛ばし屋のリンシコムはカーと並ぶ通算7アンダーで、マクファーソンには1打リードされ、最終18番パー5を迎えた。第2打は残り210ヤード。ハイブリッド（ユーティリティ）で約1.2メートルに2オンし、イーグルパットを見事に沈めた。3アンダー69でフィニッシュし通算9アンダー。パーに終わったマクファーソンとバーディで応戦したカーを、1打差で振り切って逆転優勝を飾った。

　劇的な勝利に、23歳のリンシコムは「信じられない。何と言っていいかわからない」と大喜び。表彰式後は、キャディと父トムさんの3人で恒例となった18番の池へのダイブを敢行した。ミラクルショットとなった18番の第2打を打つときには「クラブを握る手はふるえ、心臓はドキドキしていた」とコメント。しかし、「必死で自分を落ち着かせて打った」ショットが鮮やかに決まり、ビッグタイトルを手にすることができた。

　23歳6か月17日でのメジャー優勝は、07年女王のモーガン・プレセル（米）に続く史上2番目の若さ。また、07年全米女子オープンのカー以来となる米国人のメジャータイトル獲得となった。

　その他、通算8アンダー2位タイにマクファーソンとカー。殿堂入り選手のカリー・ウェブ（豪）は通算2アンダー8位タイ、大会連覇を狙ったロレーナ・オチョア（メキシコ）は通算1アンダー12位タイに終わった。

　また、キャリアグランドスラムがかかっていた朴セリ（韓）は、プレセルらと同じ通算7オーバー40位タイ。ミッシェル・ウィー（米）は1アンダー71でプレーして、通算16オーバー67位タイでコースを後にした。