女子のメジャーはロレーナ・オチョア（メキシコ）が年間グランドスラムを達成するか否かに興味の中心は絞られる。

　連覇がかかる得意大会の初戦、クラフト・ナビスコ選手権で勝てるかどうかがすべてといってもいいだろう。そのカギを握っているのが、08年12月のファイナル・クォリファイング・トーナメント（QT）を突破したミッシェル・ウィー（米）だ。かつての天才少女も苦労を重ね、忍耐を覚えた。決して受けようとはしなかったQTに挑んだのも、なりふり構わないプロとしての態度の表れだ。

　さらに、スタンフォード大の学生であるウィーは、同大会開催コースのミッション・ヒルズCC（カリフォルニア州ランチョ・ミラージュ）のすぐ近くに自宅を購入。同州内の大学に通うには遠いが、ヒマさえあれば練習できる環境にある。

　飛距離では申し分なく、何度もメジャーで優勝争いを経験。その上にQT突破で気持ちが楽になった大物ルーキーの存在が、ロレックスランク（女子世界ランク）No.1のオチョアを脅かすかどうか。米女子ツアーはいきなり緊張感に包まれるはずだ。

　また、08年マクドナルドLPGA選手権を制し、ロレックスランクNo.2に浮上したヤニ・ツェン（台）もメジャー2勝目を狙っている。08年いっぱいで現役を退いたアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）が、将来のNo.1候補と太鼓判をおした実力は本物。さらに強豪韓国勢、メジャー初Vを狙うポーラ・クリーマー（米）など実力者目白押しで、オチョアもうかうかしてはいられない。

　そして、宮里藍、上田桃子に加え、大山志保、宮里美香と4人になった日本勢がどれだけ暴れることができるか。いずれも爆発力はあるだけに、チャンスはあるはずだ。