昨年の全米プロゴルフ選手権王者で昨季欧州ツアー賞金王のマーティン・カイマー（独）が、1月以来の今季2勝目に向けて意欲を燃やしている。

　1度は世界ランクNo.1の座についたカイマーだが、現在は6位までランクダウン。優勝からは長い間遠ざかっており、何よりも勝利を渇望している。現地時間13日開幕の欧州ツアー、ポルトガル・マスターズ（ポルトガル、オセアニコ・ビクトリアGC）は、例年好スコアが出ることで知られている。今年も、「ラフもあまりないし、コースは易しそうに見える。多分、バーディがたくさん出るんじゃないかな」とカイマーが言うように、バーディ合戦が見ものとなりそうだ。

　カイマー自身も2007年大会の初日に『61』を叩き出したこともあり、決して相性は悪くない。このときは終盤、今ひとつで7位タイに終わったが、6週間のオフで休養十分の今回は、心身ともに充実している。

　シーズン終了までのカウントダウンに入った今、同ツアーの賞金ランクは5位。今大会の優勝賞金41万6,600ユーロ（約4,500万円）を手にすることができれば、上位に浮上する可能性は十分にある。終盤の台風の目となり、気持ちよくシーズンを終えるためにも、とにかく結果を出したいところだ。

　一方、メジャー3勝のパドレイ・ハリントン（アイルランド）は、ビッグイベント出場をかけて今大会に挑む。このところ不調で、現在の世界ランクは78位。来月行われる今季最後の世界ゴルフ選手権（WGC）シリーズ、WGC-HSBCチャンピオンズ（11月3?6日／中国、シャーシャン・インターナショナルGC）に出場するためには、ここで優勝するか、世界ランクトップ25に入らなければならない。そのため「今大会が僕にとって最後のチャンスになるだろう」と、背水の陣で挑むことを誓った。

　2年前には、リー・ウェストウッド（英）、フランセスコ・モリナリ（伊）に及ばなかったものの、3位に入るなどコースとの相性は悪くない。ここで勝って何とかしたいところだが、メジャー王者の強さを見せられるかどうかに注目だ。

　カイマーとハリントンの他、フランセスコ・モリナリ、トーマス・ビヨーン（デンマーク）、ジョン・デイリー（米）、コリン・モンゴメリー（スコットランド）、ホセ・マリア・オラサバル（スペイン）、ホセ・マニュエル・ララ（スペイン）、アルバロ・キロス（スペイン）らも参戦して大会を盛り上げる。