宮里藍がツアー2勝目に向け好位置を確保した。

　賞金ランク上位選手を中心に20人の実力者が集う米女子ツアーのサムソン・ワールド選手権はカリフォルニア州サンディエゴのトリーパインズGCを舞台に現地時間の19日、第3ラウンドの競技を行った。前日2位タイに浮上し、この日最終組で回った宮里は3日連続で4アンダー68の好スコアをマーク。通算12アンダーとし、首位のナ・エン・チョイ（韓）に3打差の3位につけた。

　チョイはキャリアベストの9アンダー63と爆発。通算15アンダーで単独トップに躍り出て、ツアー2年目にして悲願の初優勝に王手をかけた。チョイに2打差の通算13アンダー単独2位に前日のトーナメントリーダー申智愛（韓）が続き、トップ3をアジア勢が独占。通算8アンダー4位タイから連覇を狙うポーラ・クリーマー（米）とロレックスランク（女子世界ランク）1位のロレーナ・オチョア（メキシコ）の2人が追いかける展開となっている。

「今日も含めて、ずっと良いプレーができています」と落ち着いた表情でインタビューに応じた宮里。この日は出だしの1番で約4.5メートルのパットを沈めて幸先の良いバーディを奪うと、前半だけで4つのバーディを量産。12番パー5でティーショットをバンカーに入れボギーを叩いたのは誤算だった。だが、その分16番パー3でもう少しでホールインワンのスーパーショットを披露してバーディ。3日間全く同じ5バーディ、1ボギーの4アンダー68にスコアをまとめた。

　目下6試合連続トップ10入りの宮里には外国人記者から「なぜそんなに好調なのか？」「何を変えたのか？」と質問が飛んだが本人は「特別なことは何もしていない」の一点張り。「エビアン（マスターズ）の優勝で自信をつけてから、ショットもパットも好調が続いている」と説明した。

　今年の宮里の目標は結果に惑わされることなく「目の前の1打に集中すること」。「それができれば2勝目も遠くはない」と自信をのぞかせており、今週がそのチャンスであることは間違いなさそう。世界から選りすぐりの精鋭20名が揃ったこの大会で勝てば、岡本綾子以来、22年ぶりの賞金女王のタイトルをぐっと手元に引き寄せることになる。最終日の宮里のプレーに注目だ。