米国チームのモーガン・プレセルが欧州チームのアンナ・ノルドクビスト（スウェーデン）に勝利。その瞬間、試合を終えていたチームメイトたちがプレセルに駆け寄り、優勝の喜びを分かち合う狂喜乱舞が始まった。

　米国と欧州の名誉をかけた2年に1度の女の戦い、ソルハイムカップは現地時間23日、イリノイ州シュガーグローブのリッチ・ハーベスト・ファームで最終日のシングルス12試合を行った。前日までのポイントは8.0対8.0とどちらも一歩も譲らない状況。この日先手を取ったのは米国チームだった。最初にスタートしたポーラ・クリーマーが3アンド2でスーザン・ピーターセン（ノルウェー）を撃破。アンジェラ・スタンフォードは5アンド4の大差で勝利した。

　この勢いで米国チームは勝ち続け、プレセルが3アンド2でノルドクビストを下し大会3連覇を達成。この日のシングルスでは8.0対4.0で、最終的に16.0対12.0で4.0ポイント差をつけた。初日1ポイントリードしながら、2日目に追いつかれる苦しい展開。この日も途中まで欧州チームがリードしているマッチも少なくなかったが、米国チームは勢いと粘りで跳ね返した。米女子ツアーはスポンサーの撤退があり、コミッショナーを更迭するなどトラブル続き。国際化が進んだおかげで外国勢に押されている現状もある。そんな中で行われた欧米決戦は最高の結果に終わり、米国チームに笑顔が弾けた。

　4つのマッチに出場し3勝1分の好成績を収めた大会ルーキーのミッシェル・ウィーが、星条旗を掲げて走り回る。白星をもたらすパットを入れたプレセルは、必死に歓喜の涙をこらえながら「もう最高！」と口にした。ベス・ダニエル主将を中心に、18歳のウィーから49歳のジュリー・インクスターまで幅広い年齢の選手が1つになって手にした勝利は、そのまま米国女子ゴルフ界の層の厚さそのもの。

　負けかけていた勝負を粘りで引き分けに持ち込み、ムードを一変させたベテランのインクスターは「これが最後の出場。ベス（ダニエル）とメグ（マローン／副主将）が私を選んでくれて本当にうれしかった」としみじみ口にした。この言葉に象徴されるように出場するだけで名誉といわれる女の戦い。その勝利の味は、何物にも代えられないに違いない。