世界最多のメジャー18勝を誇る“帝王”ジャック・ニクラウス（米）がトーナメントホストを務める米男子ツアー、ザ・メモリアル・トーナメント（現地時間2日開幕／オハイオ州、ミュアフィールド・ビレッジGC）に、世界ランクNo.1となったばかりのルーク・ドナルド（英）が登場する。

「子供はメジャーで優勝し、試合に勝つことを夢見るけど、僕はいつだって世界ランキングに注目してきた」と、きっぱりと言い切るだけにリー・ウェストウッド（英）をプレーオフで破った末の王座獲得には素直に嬉しさをあらわしている。

　問題はこれをいかに維持できるか。ただそうは言っても、ツアー仲間から「機械のようだ」と言われるほど安定したプレーをしているドナルドだけに、自信は十分のようだ。

　優勝すれば“帝王”ニクラウスが祝福してくれる今大会で、ドナルドが勝ちたいのには他にもわけがある。アメリカにいる時はいつもフロリダ州のニクラウスの“庭”であるベアーズクラブで練習に励んでいるからだ。そのドナルドに対しては、ニクラウスも「いつも彼はあそこにいるよ。あれほどゴルフの練習をする男を他には知らない」と絶賛。“帝王”お墨付きの練習量と質こそが、ドナルドの支えになっている。世界ランクNo.1となった直後の優勝を“帝王”の大会で。ドナルドの闘志は静かに燃えている。

　そのドナルドと予選ラウンドを一緒にプレーするのは、今年のマスターズ優勝者、チャール・シュワーツェル（南ア）と昨年のマスターズ覇者、フィル・ミケルソン（米）。木曜日から激戦必至の様相だ。

　また、先週のHPバイロン・ネルソン選手権で、最終日の途中まで単独首位に立ちながら、上がり2ホール連続ボギーで優勝を逃した今田竜二も参戦。今週こそ、悲願のツアー2勝目を挙げて帝王からの祝福を受けようと目を輝かせている。