フィル・ミケルソン（米）が厳しいスケジュールをものともせず、大会連覇に向けて好スタートを切った。

　世界のトッププレーヤーが集結したWGCシリーズ今季第2戦のCA選手権は現地時間11日、フロリダ州のTPCブルーモンスター at ドラルを舞台に第1ラウンドの競技を終了。5アンダー67の好スコアをマークしたシャール・シュワーツェル（南ア）が単独トップに立つ中、注目のミケルソンは3打差の17位タイとまずまずのポジションを確保した。

　乳がんと戦う愛妻エイミーさんがテキサス州ヒューストンの癌センターで放射線治療を行うため、大会直前に見送らなくてはならなかったミケルソン。そのためプロアマには出場せず、ドラル入りは大会前夜となってしまった。さすがに米国を横断した時差ぼけは少し残っていたようだが、練習ラウンドなしという状況を苦にすることはなく自分のプレーを貫いた。

　かつてタイガー・ウッズ（米）のコーチを務め、今はミケルソンが信頼を寄せるコーチのブッチ・ハーモン氏も駆け付けたことに加え、スタート時間が遅かったことで疲れも抜けてリラックス。強風の中で1アンダーにスコアをまとめられたことに満足そうな表情を見せ「日を追うごとに良いスコアを出せればいいね」とミケルソンからは、優勝宣言とも取れる発言が飛び出した。

　この日、2本のドライバーを携えてプレーしたミケルソンだが、マスターズでは「たぶんいつものドライバーを使うだろう」。メジャー大会への準備ではなく、今大会にターゲットを絞っていることが明確になり、上位の選手にとってはやはり怖い存在だ。

　一方、世界のトッププレーヤーが集まる厚いフィールドの中、単独トップ発進のシュワーツェルは、ノーボギーのプレーを披露した。「こんなに強い風の中で67がでるとは思わなかった」と満面の笑み。スタート直後（インスタート）の11番パー4で10メートル以上のバーディパットを放り込むと、続く12番パー5でもバーディを奪取。強風に負けない安定したプレーでライバルたちに実力を見せつけた。

　そのシュワーツェルに1打差2位タイにロバート・アレンビー（豪）、ビジェイ・シン（フィジー）、アーニー・エルス（南ア）の実力者3人がピタリ追走。3アンダー69の5位タイからポール・ケイシー（英）が追い、2アンダー70の11位タイにパドレイ・ハリントン（アイルランド）、ジム・フューリック（米）、マーティン・カイマー（独）らがつけている。

　また先週復活優勝を遂げたカミロ・ビジェガス（コロンビア）はイーブンパー72で回り、WGCシリーズ連勝を目指すイアン・ポルター（英）らと同じ24位タイ。若手No.1のローリー・マッキルロイ（北アイルランド）は、4オーバー76でレティーフ・グーセン（南ア）他と同じ58位タイと出遅れた。

　日本勢唯一人の池田勇太は、1アンダー71でミケルソンと同じ17位タイ。