宮里藍が節目の米女子ツアー10勝目に向けて好スタートを切った。

　36人の選ばれたものだけが出場を許された米ツアーのロレーナ・オチョア招待は現地時間14日、メキシコのグアダラハラCCを舞台に開幕。ツアー通算9勝でなかなか10勝目に手が届かないまま、今季も残り2試合となってしまった宮里は満を持してプレーした。

　この日は、3番、5番とボギーが2つ先行する苦しい立ち上がりだったが、7番、9番のバーディでイーブンパーに戻してバックナインに入ると、10番のバーディで1アンダー。13番はボギーとしたものの、15番、16番の連続バーディで2アンダー70。ショートホールを除く14ホール中12ホールでフェアウェイをとらえる安定したティーショットを生かし、6アンダー66で単独トップに立つポーナノン・パットラム（タイ）に4打差の8位タイと優勝が狙える位置につけた。

　今季は序盤戦で2位が1回あるだけで目立った活躍ができず、フラストレーションのたまるシーズンを過ごしてきた宮里。一時帰国してプレーした日本でも、あと一歩のところで優勝を逃すなど忍耐を強いられてきただけに、ここで勝てれば嬉しさ倍増だ。だが、選手層が厚く、若い選手も力をつけてきているのが米ツアーのすごさ。残り3日間、気の抜けない戦いが続く。

　首位のパットラムは2006年にプロとなり、2009年に米ツアーに参戦したが、いまだツアーでは勝利はなく現在のロレックスランキング（女子世界ランキング）は59位だ。初Vを目指して今季も必死に戦ってきたが、3月のキア・クラシック3位タイ、5月のモービル・ベイLPGAクラシック2位タイと惜しいところで優勝をつかめずにいる。

　この日は出だし3連続バーディの好発進が効いて7バーディ、1ボギー。シーズン大詰めでつかんだ初優勝のチャンスだが、相手にするのは実力者ばかり。これを生かすには攻撃ゴルフを続けるしかない。

　パットラムに1打差の単独2位にはエイミー・ヤン（韓）がつけ、賞金女王タイトルに向けて快走するインビー・パーク（韓）が、アンナ・ノルドクビスト（スウェーデン）、リュウ・ソヨン（韓）と並び4アンダー68の3位タイ。女王レース2位でパークを追走するスーザン・ピーターセン（ノルウェー）は2アンダー70で回り宮里と並ぶ8位タイと、こちらの争いからも目が離せない。

　他の主な選手は、ロレックスランキング3位のステイシー・ルイス（米）、レクシー・トンプソン（米）がイーブンパー72で16位タイ、ポーラ・クリーマー（米）が2オーバー74で25位タイ。ディフェンディング・チャンピオンのクリスティー・カー（米）は5オーバー77を叩いて最下位の36位と出遅れている。