初優勝を目指すツアー4年目の若手オリバー・ウィルソン（英）が単独トップに躍り出た。

　欧州ツアーのオメガ・ヨーロピアン・マスターズ（スイス、クラン・サー・シエレ）は現地時間の7日、日没サスペンデッドとなった第1ラウンドの続きと第2ラウンドを行い、通算11アンダーまでスコアを伸ばしたウィルソンが、ディフェンディング・チャンピオンのブラッドリー・ドレッジ（ウェールズ）に1打差をつけ、単独首位の座をゲットした。3打差の単独3位にブレット・ランフォード（豪）、4打差の単独4位にフィリップ・アーチャー（英）が続く展開。

　初日14番ホール終了と同時に順延を知らせる警笛を聞いたウィルソンはこの日、まずは第1ラウンドの残り4ホールをこなしたが、早朝にもかかわらず出だしの15番でいきなりイーグルを奪い勢いづくと、17番もバーディとして6アンダー65でホールアウトする。第1ラウンドのベストスコアを叩き出すと、第2ラウンドでも6バーディ、1ボギーの安定したゴルフ。5アンダー66で回り、通算11アンダーでトーナメントをリードした。

　今季はここまで2度の2位タイを経験しているが、残念ながらまだ優勝には手が届いていない。念願の初優勝、そして今週からスタートするライダーカップ出場権を巡る戦い（ポイントの換算が今大会からスタート）をリードするためにも残り2日、この位置をキープし続けたい。奇しくも来季のライダーカップは、同郷の先輩で尊敬するニック・ファルド（英）がキャプテンを務める。そのこともウィルソンを本気にさせている一因だ。

　その他リー・ウェストウッド（英）が通算4アンダーで11位タイ、ポール・ケイシー（英）は通算3アンダー15位タイにつけている。

　一方、注目のハワイ出身の日系人ゴルファー、タッド・フジカワ（米）は通算10オーバー133位タイで予選落ちを喫したものの、見せ場を作った。フジカワにとって最終ホールとなった9番パー5で、2打目を直接カップに入れアルバトロスを達成したからだ。身長155センチの小さな体から繰り出された3番ウッドでのセカンドショット。残り距離は285ヤードあったが、それが奇跡的にカップに吸い込まれる劇的なフィニッシュで、欧州ツアーデビュー戦の有終の美を飾った。

　尚、初日7オーバー78を叩いて出遅れていた手嶋多一は、ショット、パット共に上向きだったが、この日も4バーディ、5ボギーの1オーバー72とスコアを伸ばせず、通算8オーバー122位タイで決勝ラウンド進出を逃している。