米国初優勝をメジャーで、と意気込んだ尾崎直道の挑戦はまたしても厚い壁に跳ね返された。

　米チャンピオンズツアーのメジャー今季初戦、シニアPGA選手権（オハイオ州ビーチウッド、カンタベリーCC）は現地時間24日、最終ラウンドの競技を行った。通算1オーバー10位タイからチャージを狙った尾崎は、2番でボギーが先行。4番ではダブルボギーを叩き、難コース相手に気合いが空回りする苦しいゴルフを強いられた。

　5番、6番で連続バーディを奪い、盛り返したかに思われたが、それもここだけ。バックナインに入ってからも10番ボギーの後はスコアカード通りのプレーしかできなかった。大詰めの17番をダブルボギーとし、結局この日は4オーバー74。尾崎は通算5オーバーで22位タイに終わり、ガックリとうなだれた。

　優勝争いは後続に2打差をつけて単独首位でスタートした50歳の苦労人、マイケル・アレン（米）が、ラリー・マイズ（米）に追いかけられる展開。89年には欧州ツアーのベルズ・スコティッシュ・オープンで優勝した経験を持つ。だが、米国では98年に下部ツアーのネイションワイドツアー、ナイキ・グレーター・オースティン・オープンに勝利したくらいで、今大会が米チャンピオンズツアーデビュー戦だ。

　それだけに、フロントナインで4バーディを奪ったマスターズ王者の追撃に、アレンは1度首位の座を譲り渡した。しかし、終盤に2つのバーディを奪い、3アンダー67で通算6アンダー。2打差でマイズを振り切って、デビュー戦のメジャーで優勝という偉業を成し遂げた。アレンは「これこそ自分が思い描いたシナリオだ」と喜びに声を震わせた。

　その他、通算3アンダー単独3位にブルース・フライシャー（米）、通算イーブンパー4位にトム・ワトソン（米）。ジェイ・ハース（米）は通算2オーバー9位タイ、ベルンハルト・ランガー（独）は通算3オーバー17位タイで4日間の競技を終えた。

　日本勢で尾崎以外にもう1人、予選を通過した室田淳は通算6オーバー28位タイ。飯合肇、渡辺司、青木功は決勝ラウンド進出を逃していた。