砂漠の空にタイガー・ウッズ（米）の雄叫びが響いた。

　現地時間3日、欧州ツアーのドバイ・デザート・クラシック（アラブ首長国連邦ドバイ、エミレーツGC）は最終ラウンドの競技を終了。前日首位のアーニー・エルス（南ア）に4打差の5位タイで出たタイガーは、フロントナインを1アンダーで静かにプレー。だが、バックナインに入ると大爆発した。

　まず10番でバーディを奪ったタイガーは、12番から3連続バーディを奪取し通算12アンダー。359ヤードの17番パー4では、グリーンの左まで運ぶ豪快なティーショットを放った。絶好のライからのチップショットで2.5メートルに乗せてバーディとし、最終18番パー5を迎えた。

　5Wで打った第2打はグリーンをオーバーし、バンカーの手前に落ちた。しかし、第3打が難しい。グリーンがピンを過ぎると奥に下っており、さらに強すぎると反対側には池が待ち構えているからだ。「簡単に池に入ってしまう可能性があった」とタイガーはその場面を振り返った。

　第3打のアプローチはカップまで7.5メートルを残した。だが、タイガーはこれを絶妙なタッチで放り込み、ボールがカップに消えるのを見届けると、空へと拳を突き上げた。バーディで通算14アンダー。余裕を持って残りの組を待ったが、誰にも追いつかれない。単独2位のマーティン・カイマー（独）に1打差で逆転優勝を決めた。

　今季初戦となった前週の米ツアー、ビュイック招待では8打差圧勝し、今週は逆転V。「最高のスタートだね。勝つためにプレーして、今年はそれができているんだから」。タイガーはもはや手のつけられない状態になっている。

　一方、トップでスタートしたエルスはスコアを1つしか伸ばすことができず、通算12アンダー。ルイス・ウーストハウゼン（南ア）と並ぶ3位タイに終わり、がっくりと肩を落とした。この先3年でタイガーから世界ランクNo.1の座を奪うと宣言しているだけに、最初の対決で逆転勝利を許したショックは大きい。さすがのビッグイージーも、呆然とするしかなかった。