連覇での大会4勝目を目指すアーニー・エルス（南ア）が順調な滑り出しを見せた。

　欧州、南アサンシャイン両ツアー共催のアルフレッド・ダンヒル選手権が南ア、ムプマランガのレパード・クリークGCを舞台に現地時間の6日開幕。日没サスペンデッドで最後の2組の選手がホールアウトできなかったが、エルスは4バーディ、2ボギーの2アンダー70にスコアをまとめ、暫定首位に3打差の暫定7位タイの好位置を確保した。

　欧州ツアーの賞金ランクに加算される試合で72年以降、同一大会4勝以上（メジャー、WGCは除く）を挙げている選手はベルンハルト・ランガー（独）、ニック・ファルド（英）、セベ・バレステロス（スペイン）の3人だけ。もし今大会で勝てばエルスもこれらそうそうたる顔ぶれに肩を並べ、同一大会4勝以上を挙げたプレーヤーとして、歴史の1ページに名を連ねることになる。

　この日は風が巻いて難しいコンディションだったが、最終ホールをバーディで締めくくり第2ラウンドにつながるゴルフができたエルス。地元のファンはエルスの一挙手一投足を固唾をのんで見守っている。

　上位はツアー出場権を獲得するため、先月行われたクォリファイング・スクールを受けて資格を得た苦労人シオン・ベブ（ウェールズ）が5アンダー67で暫定トップ。1打差の暫定2位タイにクレイグ・リー（スコットランド）とオマー・サンディース（南ア）が続いている。

　ちなみにリーもクォリファイング・スクールで上位に入り、08年欧州ツアーシーズンへの切符を手に入れたひとり。テストを受ける前は1,150ユーロ（約19万円）のエントリーフィーを用立てることができず「クォリファイング・スクール受験を断念しようかと思った」ほど困窮していた。しかし直前になって友人が費用を貸してくれることになり、ファーストステージから挑戦。順当に勝ち上がって、今季の出場権をもぎ取ったという逸話の持ち主だ。

　ビッグネーム vs. 伏兵の戦いは、いったいどちらに軍配が上がるのだろうか？