地元のニューヒロイン、キャサリン・ハル（豪）が圧勝を飾る中、上位進出を狙った宮里藍は今ひとつスコアを伸ばしきれなかった。

　現地時間8日に行われた欧州、豪州両女子ツアー共催のANZレディース・マスターズ最終ラウンド。首位に7打差の9位タイからスタートした宮里は、出だしの1番でボギーを叩き不安定な滑り出しだった。それでも終始落ち着いた表情で、5バーディ、3ボギーの2アンダー70で回り、通算7アンダーでホールアウト。ベスト10入りはならなかったが、12位タイで4日間の競技を終了した。

　オフの成果を試す意味でも重要だった今大会。ショットとパットが噛み合わない場面もあったものの、バーディ数が増えているのは安心材料。次週の米女子ツアー開幕戦、SBSオープン at タートルベイでの活躍に期待を持たせた。

　優勝は4日間60台を並べたハルが通算16アンダーで逃げ切りV。オーストラリア勢としては過去20年でジェーン・クラフター、カリー・ウェブに続き3人目のチャンピオンとなった。「うれし過ぎて実感がありません。子供の頃からここで勝つのが夢でしたから」と満面の笑みを浮かべた26歳。2位に3打差をつけ単独トップから出たこの日も、1番のバーディで流れをつかみ、後半3連続バーディを奪うなど抜群の安定感で4アンダー68をマークした。

　昨季米女子ツアーではCNカナディアン女子オープンを逆転で制し、一躍トッププロの仲間入りを果たしたハル。豪州勢としては最高の賞金ランク13位に食い込み、ニューエースとして活躍が期待されている。「これまでカリー（ウェブ）が果たしてきた役割を引き継ぎたい」とオージー代表としての自覚が芽生えており、今後大化けする可能性を秘めている。

　5打差の2位タイには日本を主戦場にしている飛ばし屋のタミー・ダーディン（豪）とリュウ・ソヨン（韓）が続いた。08年大会で優勝争いをしながら大崩れし23位タイに甘んじたダーディンは「私にとってはこの2位が優勝にも匹敵する」と喜んだ。

　また、世界ランク2位のヤニ・ツェン（台）が最終日にようやく6アンダー66と“らしい”プレーを披露し、通算10アンダー4位タイに食い込んだ。同ランク5位の申智愛（韓）は通算9アンダー8位タイに終わった。