ポール・ケイシー（英）がボロボロになりながら辛くも逃げ切り、2年ぶりの勝利の美酒に酔った。

　欧州ツアー、アブダビ・ゴルフ選手権（UAE、アブダビGC）は現地時間18日、最終ラウンドの競技を行った。4打差単独首位の通算19アンダーでスタートしたケイシーは、10番を終わって通算24アンダー。後続との差を6打に広げ、独走態勢に入ったかに思われた。だが、07年の今大会以来、2年間未勝利だったことから重圧に襲われ、11番でボギーを叩くと別人のように崩れ始めた。

　ケイシーは13、14番の連続ボギーで通算21アンダー。マーティン・カイマー（独）、ルイス・ウーストハウゼン（南ア）の2人に激しく追い上げられながら、必死のプレーが続いた。ウーストハウゼンが8バーディ、ノーボギー、8アンダー64の通算20アンダーで先にホールアウトし、プレッシャーはさらに大きくなった。

　同じ最終組でプレーしたディフェンディング・チャンピオンのカイマーも、17番までに通算18アンダー。さらに、最終ホールではイーグルを奪って通算20アンダーまでスコアを伸ばした。だが、ケイシーは15番以降、何とかパーを重ねて2アンダー70。通算21アンダーでフィニッシュし、1打差で逃げ切った。

「すごくナーバスになってしまった。スタートは素晴らしかったが、グリーンを読むのが難しくて」と振り返ったケイシー。「2年前の優勝もうれしかったけど、今回は全然違う。肩の荷が下りたよ。最近結婚したことも良かったね」と笑いが止まらなかった。

　通算17アンダー5位タイにメジャー3勝のパドレイ・ハリントン（アイルランド）、世界ランクNo.2のセルヒオ・ガルシア（スペイン）がこの日8アンダー64で回って通算16アンダー8位タイ。マスターズ王者トレバー・イメルマン（南ア）は通算5アンダー50位タイに終わった。