賞金王を争う主役2人が上位を独占。観る側にとってはこれ以上ないエキサイティングな展開が訪れた。

　欧州ツアーのシーズン最終戦、ボルボ・マスターズがスペインのクラブ・デ・ゴルフ・バルデラマを舞台に現地時間2日、第2ラウンドの競技を終了。“太陽の海岸”ことコスタ・デル・ソルに冷たい強風が吹く中、現在賞金ランク3位につけるジャスティン・ローズ（英）が後半4つのバーディを奪う猛攻で3アンダー68のこの日のベストスコアをマーク。通算4アンダーとして、初日の3位タイから単独トップに浮上した。

　さらに同ランク2位で、昨年に続く2年連続賞金王の座を狙うパドレイ・ハリントン（アイルランド）はイーブンパー71にスコアをまとめた。通算イーブンパー2位に順位を上げ、第3ラウンドは主役2人の直接対決が実現することになった。

「4打差をつけられたのはかなり痛い。明日もまたジャスティン（ローズ）に3アンダー、4アンダーといったスコアを出されたら、追いつくのは難しくなる。彼が断然有利だし、チャンピオンになる可能性が高い」と27歳のライバルの快進撃に、目を見張った36歳のハリントン。

　しかし一方のローズは「リードしたからといって、まだフィニッシュまでには長い道のりが待っている。今日はショートゲームが冴えていたけれど、明日以降も確率の良いプレーをしていかなければ…」と気を引き締めた。

　現時点で同ランクトップのアーニー・エルス（南ア）が今大会を欠場しているため、2人のうちどちらかが勝てば、逆転で賞金王のタイトルが転がり込むことに。しかも2位のハリントンとローズの差は657ユーロ（約11万円）と僅差。「パドレイ（ハリントン）と同じ組で戦えれば、誰にとってもエキサイティングだろうね。プロとして良いショットを皆さんにお見せしたい」とローズ。

　弱冠17歳でプロ入り。当時は20試合以上連続で予選落ちを喫し、「プロ入りを早まったのでは？」と批判にさらされたことのあるローズだが、今では立派に欧米両ツアーで活躍するトッププレーヤーに成長した。勢いのあるローズがどこまでスコアを伸ばすのか？　それともハリントンが先輩の意地を見せるか？　ファンならずともワクワクするはずだ。

　その他、通算1オーバー3位タイに地元期待のミゲール・A・ヒメネス（スペイン）、初日トップのグラエム・マクドウェル（北アイルランド）、ソレン・ケルドセン（デンマーク）、ジョティ・ランダワ（インド）の面々が続いた。

　現在賞金ランク5位で逆転賞金王の可能性があるニコラス・ファース（スウェーデン）は通算3オーバー10位タイ。同ランク4位のヘンリック・ステンソン（スウェーデン）はこの日7オーバー78の大叩きで、通算12オーバー45位タイに後退した。