初日の展開は試合前の予想を大きく裏切った。

　今季メジャー第3戦、全英オープン（英、ロイヤル・バークデール）を次週に控え、大物がヨーロッパに集結し現地時間10日に開幕した欧州ツアーのバークレーズ・スコティッシュ・オープン（スコットランド、ロックローモンド）。第1ラウンドのこの日はビッグネームが出遅れ、伏兵がトーナメントをリードした。

　首位に並んだのはタイ出身で元アジアンツアーの賞金王トンチャイ・ジェイディとアレキサンダー・ノーレン（スウェーデン）の2人でスコアは7アンダー64。1打差の単独3位に6バーディ、ノーボギーで回ったアンヘル・カブレラ（アルゼンチン）が続き、4アンダー67、7位タイにリー・ウェストウッド（英）、ヘンリック・ステンソン（スウェーデン）らがつけた。

　腰痛のためドクターストップ寸前のジェイディは、全英オープンへの出場権はまだ持っておらず、次週は自国に戻り治療に専念する予定だった。ところが今週上位5人に入ればメジャー出場権が得られるとあって、「そうしたらもちろん全英でプレーするさ」と腰痛を押しての出場に大乗り気。思わぬチャンスの到来に頬もゆるみっぱなしだった。

　一方、タイガー・ウッズ（米）がケガで今季出場は絶望的な状況の中、メジャーでの活躍が期待される世界ランク2位のフィル・ミケルソン（米）は、イーブンパー71の平凡なスコアで77位タイと出遅れ「3週間ぶりだと試合勘がどうしても鈍っている。特にパッティングの調子が出ない。でもその中でも精一杯頑張ってイーブンパーにまとめた」と渋い顔。「ウォーミングアップができて、60台を出す準備は整った」と巻き返しに意欲を燃やした。

　またアーニー・エルス（米）は「ショットを曲げたホールでダボやボギーを叩いてしまった」と、5バーディ、4ボギー、1ダブルボギー、1オーバー72のゴルフに納得が行かない様子。世界ランク3位のアダム・スコット（豪）とともに98位タイからのスタートを余儀なくされ、こちらも第2ラウンド以降のチャージを誓った。