難コースで倉本昌弘が素晴らしいプレーを披露した。

　米チャンピオンズツアー今季メジャー初戦、シニアPGA選手権がニューヨーク州ロチェスターのオークヒルCCを舞台に現地時間の23日、第2ラウンドの競技を終了。上位のスコアが伸び悩む中、第1ラウンド22位タイにつけた倉本が、4バーディ、2ボギーの2アンダー68で回り、通算1オーバーで前日のトーナメントリーダー、ジェイ・ハース（米）と並び2位タイと絶好のポジションを確保した。首位は通算イーブンパーのトム・パーツァー（米）。

「ドライバーを封印してフェアウェイキープを心がけました」と言う倉本が、この日ティーショットでドライバーを使ったのは3回だけ。あとは3番ウッド、5番ウッド、ときにはアイアンで刻む手堅い作戦でスコアを伸ばした。「普段ドライバーは280?285ヤード飛ばすんですが、この難しいコースでそんな飛距離はいりません。それよりも、確実にピンを狙いやすいところに運ぶ堅実なゴルフに徹するべきです。昨日より今日の方が（スコアが）良かったのは、下りのパットを残さないよう、手前から攻めていけたから」と、好調の原因を分析。シード権を失った今年は、出場できる試合が限られており、ベストフィニッシュはアウトバック・ステーキハウス・プロアマでの15位タイ。来季もアメリカでプレーし続けるためには、1試合1試合が正念場だ。

「試合が始まる前、通算5オーバーならベスト10に入れると直感で思いました。だから目標は通算5オーバー。優勝？　天気が良ければイーブンパー、そうでなければ通算2オーバーか通算3オーバーで勝てると思う」と言う倉本は、「勝てば日本でのあなたの人気も上がるのでは？」と問われると「そうですね」と照れくさそうに微笑むシーンも。残り2日、倉本は悲願の勝利を目指し“クレバーなゴルフ”を続けるつもりだ。

　その他の日本勢は、初日4位タイの好発進を切った尾崎直道がまさかの9オーバー79の大叩きで、通算10オーバー48位タイに急降下。室田淳が通算7オーバーで27位タイに順位を上げ、飯合肇と友利勝良は通算12オーバー69位タイで予選を突破したが、尾崎健夫はこの日12オーバー82と崩れ、通算19オーバー130位タイで予選落ち。初日最下位に沈んでいた青木功は、通算22オーバー144位タイで決勝ラウンド進出を逃した。