大会7勝目を目指すアーニー・エルス（南ア）の前にアンヘル・カブレラ（アルゼンチン）が立ちはだかった。

　イギリスの名門、ウェントワースCを舞台に、世界のトッププレーヤー16名が集結しマッチプレー形式で雌雄を決する欧州ツアーのHSBC世界マッチプレー選手権は、現地時間の13日、準決勝2試合を終了。今大会で2度の3連覇を果たしているエルスと、今季の全米オープン覇者、カブレラが決勝戦にコマを進めた。

　準決勝でエルスが対戦したのはヘンリック・ステンソン（スウェーデン）。以前は飛ばしだけがクローズアップされていたが、最近では同ツアーを代表するトッププロに成長。エルスも「（ステンソンは）ここのところ上り調子だから警戒しなければ」と語っていた。案の定、前半の18ホールは両者互角の戦いでステンソンの1アップのまま後半へ。すると「前半あまりにパターがひど過ぎたので、後半は打ち方を変えてみた」と言うエルスが、大事な場面で次々とパットを沈め、結局3アンド2で大本命が勝利を飾った。

「前半は本当にイライラした。でも、後半に入る前にアッパーブローにパットを打ち過ぎていたことに気づいたんだ。左サイドにやや体重を乗せて、テイクバックを小さくして、上から叩くイメージでパンチを入れるようにしたら、後半パットは入るようになった」（エルス）。

　決勝戦終了後は、フランスで行われるラグビーのワールドカップに出場する南アフリカチームを応援するため、プライベートジェットを待機させ、観戦に行く手はずを整えているエルス。「ゴルファーになっていなかったら、ラグビーのプロになっていた」と言うだけに、強い思い入れがあるのだ。しかしその前に今大会7度目の優勝を飾ることがエルスにとっての使命だ。「もちろんコースに出ればラグビーのことは考えない。プライオリティーはこの試合に勝つことだからね！」。

　一方のカブレラは、今大会初出場のハンター・マハン（米）との準決勝を2アンド1で制して、エルスとの直接対決に持ち込んだ。「エルスとはプレジデンツカップでチームメイトだったし、尊敬する友人のひとり。ベストを尽くさなければ勝てないのはわかっているから、明日は全力でぶつかっていく」とカブレラは気を引き締めた。アルゼンチンの名誉に賭け、最終日はエルス撃破に全身全霊を傾ける。