圧勝が期待されたローリー・マキロイ（北アイルランド）だったが、結果はプレーオフで辛くも逃げ切る形となった。

　怖いもの知らずの22歳が産みの苦しみを味わった。世界の強豪30名が上海に集結し、優勝賞金200万ドル（約1億5,000万円）を競う上海マスターズ最終ラウンド（現地時間30日／中国、上海レイクマラレンGC）。後続に3打差の単独トップからスタートしたマキロイは、1番でセカンドショットをグリーン奥にこぼし、あっという間にリードが『1』打に縮まり、「こんな展開になるとは思っていなかった」と語るほど最悪な滑り出しとなった。

　前日まで面白いように決まったパットも影を潜め、アンソニー・キム（米）に並ばれると、土壇場の17番でバーディチャンスをわずか数センチで逃し、最終18番でも2.5メートルのパットを決めきれず、イーブンパー72止まり。通算18アンダーで決着はキムとのプレーオフにもつれ込んだ。

　サドンデス1ホール目。両者ともティーショットはバンカー。ともにバーディならずマキロイが60センチのパーパットを沈めたのに対し、キムは1メートル弱の短いパットを外してボギー。あっけない結末で全米オープンチャンピオンのマキロイが栄冠に輝いた。

「調子が悪いとき、いかに勝ちに結びつけられるか。それをこれからもっと勉強しなければならないと痛感した。でも、我慢してつかみ取ったこの勝利は自分にとって価値がある」と、キャリア初のプレーオフでの勝利にホッと胸をなで下ろしたマキロイ。決してカッコ良い勝ち方ではなかったが、本調子でないときでも勝つゴルフができることを証明して見せた。

　今大会はどのツアーにも属さず、スポーツマネジメント会社最王手のIMGが創設したトーナメント。優勝賞金は現在世界最高の200万ドル（約1億5,000万円）で、2位のキムも75万ドル（約6,000万円）を獲得した。

　その他、通算13アンダー3位タイに20歳のノ・スンヨル（韓）とハンター・メイハン（米）が続いた他、この日12番パー3でホールインワンをマークした世界ランキング2位のリー・ウェストウッド（英）が、通算12アンダーで単独5位に食い込んだ。