現在、メジャータイトルを持っている4人の男たちが、長い間、欧州ツアーの本拠地があった英国ウエントワースCで顔を揃える。

　現地時間26日に開幕する欧州ツアーのフラッグシップ・トーナメント、BMW PGA選手権には、昨年の全米オープン王者、グラエム・マクドウェル（北アイルランド）、全英オープン王者のルイス・ウーストハウゼン（南ア）、全米プロゴルフ選手権王者のマーティン・カイマー（独）、今年のマスターズ王者のチャール・シュワーツェル（南ア）が出場。これに現在世界ランク1位のリー・ウェストウッド（英）、同2位のルーク・ドナルド（英）らも絡む。さらに、前回、米国を撃破したライダーカップ欧州チームメンバーのうち、故障中のパドレイ・ハリントン（アイルランド）以外は全員が集結し、激戦が繰り広げられる。

　これは同時に過去1年間、米国勢がメジャータイトルをひとつも取れず、さらに世界ランクトップ3がすべて欧州ツアー勢に占められていることも意味しており、米ツアーにとっては痛恨の事態だが、欧州ツアーにとっては喜ばしい状況でもある。

　大会前のディナーパーティーでは、グリーンジャケットを着たシュワーツェルと、メジャーの優勝トロフィーを持った3人が並び、欧州ツアーのチーフ・エグゼクティブ、ジョージ・オグレディ氏が「欧州ツアーの歴史の中で最も素晴らしい年」と誇らしげに祝福したムードの中で大会は開催される。

　組み合わせも絶妙で、カイマー、シュワーツェルとジャスティン・ローズ（英）が同組。またドナルド、マクドウェルが、ディフェンディング・チャンピオンのサイモン・カーン（英）と、さらにウェストウッドがレティーフ・グーセン（南ア）、アルバロ・キロス（スペイン）と一緒に予選ラウンドをプレーする。

　さらに、マッテオ・マナッセロ（伊）、ローリー・マキロイ（北アイルランド）の若手2人にベテラン、ダレン・クラーク（北アイルランド）の組み合わせや、先週のボルボ世界マッチプレー選手権で優勝したイアン・ポルター（英）とポール・ケイシー（英）、フランセスコ・モリナリ（伊）の組など、見どころ満載なのはまさに現在の欧州ツアーの勢いそのものだ。

　故セベ・バレステロス氏追悼のために復活を切望するホセ・マリア・オラサバル（スペイン）、かつてはウエントワースに住んでいたアーニー・エルス（南ア）、ジョン・デイリー（米）らも参戦し、激戦必至の様相を見せている。