2年前、欧州ツアー初のアマチュアチャンピオンに輝きながら、その後低迷していたパブロ・マーティン（スペイン）が念願のプロ1勝目を飾った。

　南アフリカのサンシャインツアーと共催で開催されていた欧州ツアー2010年シーズン開幕戦のアルフレッド・ダンヒル選手権（南ア、レパード・クリークGC）は現地時間の13日、最終ラウンドの競技を終了。この日3アンダー69をマークしたマーティンが通算17アンダーまでスコアを伸ばし、地元のシャール・シュワーツェル（南ア）に1ストロークの僅差で逃げ切りVを達成した。

「信じられない気分だ。こんなに嬉しいことはない。心からはしゃぎたい」とトロフィを掲げ満面の笑みを浮かべたマーティン。今年は出だし7試合連続で予選落ちを喫するなど苦しみ、世界ランクは488位と低迷。今週も「妹と2人で野生動物を見るために、観光気分でやって来た」と優勝など思いもよらない状況だった。ところが2日目に9アンダー63の好スコアで単独トップに躍り出ると、そこからは我慢のゴルフで接戦を制して栄冠に輝いた。アマチュアとして2年前にポルトガルで勝ったときも、そして今回も、実はこの妹さんがトーナメントに同行していたそうで「もう彼女は僕と一緒に行動するしかない。だって勝利の女神だからね」と彼女の肩を抱いて離さないマーティンだった。

　その他上位は通算14アンダー単独3位にアンダース・ハンセン（デンマーク）が入りディフェンディング・チャンピオンのリチャード・スターン（南ア）が通算12アンダー4位タイに食い込んだ。

　前日2位タイにつけていた地元のヒーロー、アーニー・エルス（南ア）は最終ホールでダブルボギーを叩くなど最後までピリッとしないプレーで5つスコアを落とし、通算7アンダー17位タイに終わった。エルスは1990年以降、毎年少なくとも1勝を挙げて来たが、来週の南アフリカ・オープン選手権へは出場しないため、19年目にして毎年1勝以上の記録が途切れたことになる。